改正ドローン規制法|許可申請や飛行ルール
2026/09/25

2026年7月14日に改正小型無人機等飛行禁止法が施行されました。
この改正の施行により、ドローンの飛行に関する規制が強化されました。
今回は改正ドローン法の内容や許可申請などについて解説します。
ドローン規制の全体像と押さえておくべき法律
ドローンの飛行を規制する法律は、複数の法律で定められています。
早速確認していきましょう。
航空法:ドローン飛行の基本ルール
航空法とは、航空機の安全確保や航行上の危険を防止するための法律を指します。
ドローンも航空法上の無人航空機に該当するため、飛行させる空域や方法に関する基本ルールが定められています。
たとえば、次のような場合、事前に国土交通省の許可・承認を得る必要があります。
- 空港の周辺や人口集中地区などの特定の空域で飛ばす
- 夜間や目視外などの方法で飛ばす
航空法は、安全な航空交通を維持する法律であるため、ドローンも定められた基準を遵守することが求められます。
小型無人機等飛行禁止法:重要施設周辺の飛行ルール【重要改正あり】
小型無人機等飛行禁止法とは、対象となる重要施設の周辺上空における小型無人機の飛行を制限する法律で、ドローン規制法と呼ばれています。
ドローン規制法は、国の安全保障や要人の警護を目的に制定されており、対象施設の敷地およびその周辺の上空における飛行の禁止が定められています。
2026年7月に改正法が施行され、飛行禁止エリアの拡大や罰則の創設が行われました。
この法律の対象となる施設には、国会議事堂や内閣総理大臣官邸、危機管理行政機関などの国の重要な施設等のほか、外国公館等、防衛関係施設、空港、原子力事業所などがあります。
なお、航空法に基づく許可・承認を得ていても、小型無人機等飛行禁止法に基づく同意の取得や通報は別途必要です。
その他関連法規:民法・電波法・自治体条例など
ドローンの飛行においては、航空法や専用の禁止法以外にも注意すべき法律があります。
他人の土地の上空を無断で飛行させることによるプライバシーや所有権の侵害は民法上の問題につながります。
また、無線通信を行うドローンは電波法に適合している必要があり、指定された周波数や技適マークの有無を確認しなければなりません。
さらに、各自治体が公園や公共の場所での飛行を独自に制限している条例もあるため、飛行場所の自治体ルールを確認することが大切です。
【重要】2026年施行!ドローン規制法の変更点
2026年に施行されたドローン規制法の変更点は、以下の通りです。
変更点1:飛行禁止エリアが周囲おおむね1000mに拡大
ドローン規制法の変更点として、対象となる重要施設の周囲における飛行禁止エリアが拡張されたことがあげられます。
今回の改正により、重要施設の周囲おおむね300mとされていた規制の対象が、周囲おおむね1000mの地域に拡大されました。
空港についても、羽田・成田など8空港の周辺地域がおおむね1000mに拡大して指定されています。
これにより、少し離れた場所であっても、重要施設の近くでドローンを飛ばす際には、施設管理者等の同意の取得や、飛行開始の48時間前までに管轄警察署を経由して都道府県公安委員会へ通報する手続きが必要となるケースが増加すると想定されます。
なお、この通報は、航空法に基づくDIPS 2.0での飛行計画の通報とは別の手続きです。
周囲の環境を事前に警察庁や施設を所管する省庁等が公表している地図などで確認し、意図せず規制区域に入らないための配慮が重要です。
変更点2:違反者に対する新たな罰則の創設
ドローン規制法の変更点として、規制エリアでの無許可飛行に対する抑止力を高めるため、新たな罰則が設けられたことが挙げられます。
改正前は、対象施設の周辺地域での違反飛行は、警察官等の命令に従わなかった場合に処罰の対象となっていましたが、改正により、周辺地域でルールに違反してドローンを飛行させた場合、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科せられる事になります。
対象施設の敷地等の上空での違反飛行には、従来どおり1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科せられます。
したがって、安全な運航を行うためには、飛行禁止区域の位置を正確に把握し、不注意による違反を防ぐ体制づくりが求められます。
なお、意図的な違反だけでなく、確認不足による過失であっても、状況によっては違反を問われるおそれがあるため、管理体制を構築することが重要です。
補足:要人が関係する施設が一時的に対象となる場合も
今回の改正事項ではありませんが、対象施設には、国内要人が出席する行事の会場や、外国要人が参加する国際会議の会場など、一時的に指定される施設も含まれます。
要人の移動や滞在に伴い、突発的に飛行禁止エリアが設定されることもあるため、飛行直前まで最新の情報を確認することが重要です。
許可申請は必要?特定飛行の対象となるケース
ドローンの飛行は、すべてに許可が必要になるわけではありません。
特定飛行の対象になるケースについて確認していきましょう。
許可が必要な飛行エリア(空域)
特定飛行の対象となるケースとして、許可が必要な飛行エリアでドローンを利用するときが考えられます。
航空法において、事故のリスクが高いとされる特定の空域での飛行には許可が必要です。
該当する空域としては、空港周辺の空域や、緊急用務空域、地表または水面から150m以上の高さの空域などが挙げられます。
また、人口密集地として指定されている地域の上空も対象です。
これらのエリアでドローンを飛ばす場合は、安全確保のための基準を満たした上で申請を行わなければなりません。
承認が必要な飛行方法
ドローンが特定飛行の対象となるケースとして、以下が考えられます。
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 人や物件から30m未満の距離での飛行
- 催し場所上空での飛行
- 危険物の輸送
- 物件投下
これらの飛行方法は事故発生時のリスクが特に高いため、機体の機能・性能、操縦者の飛行経歴・知識・能力、安全を確保するための体制などについての情報を提出し、審査を受ける必要があります。
【例外】ドローンの飛行許可が不要になるケース
一部の条件を満たすドローンや環境下では、一般的な許可申請の手続きを行わずに飛行させることが認められています。
具体的に確認していきたいと思います。
100g未満のドローンを飛ばす場合|他の法律に注意
ドローンの飛行許可が不要になるケースとして、本体とバッテリーの重量を合わせた総重量が100g未満の模型航空機やトイドローンを飛ばすときが考えられます。
100g未満のドローンは、航空法上の無人航空機にはあたらないため、空港周辺や高さ150m以上の空域など一部の空域を除き許可申請なしで飛ばすことができます。
ただし、100g未満であっても、小型無人機等飛行禁止法や電波法、自治体の条例などの他のルールは適用されます。
とくに、小型無人機等飛行禁止法は100g未満の機体も規制の対象となるため、改正により拡大した飛行禁止エリアを確認しておくことが重要です。
屋内やネットで囲まれた空間で飛行させる場合
ドローンの飛行許可が不要になるケースとして、完全に外界から遮断された屋内や、外へ飛び出さないようにネットでしっかりと囲まれた空間での飛行です。
このような場所では、天候の影響を受けにくく、第三者への危害のリスクが低いため、許可や承認を取得せずにドローンを飛ばすことが可能です。
ただし、私有地であっても屋外でネットに囲まれていない場合は、通常の規制が適用されるため注意が必要です。
なお、ネットで囲まれた空間でドローンを飛ばす場合、機体が外へ飛び出さない状態が確保されているか、事前の点検が必要です。
ドローン飛行許可申請の流れ|DIPS 2.0での手続き
ドローンの飛行許可や承認を申請する際は、国土交通省が提供するオンラインシステムを利用するのが一般的です。
申請の流れは以下の通りです。
機体登録・操縦者要件の確認
ドローン飛行許可申請を行う場合、事前にドローンの機体に関する登録や操縦者の要件を満たしているかを確認する必要があります。
100g以上のドローンを屋外で飛ばすには、事前に機体登録を行い、登録記号を取得していなければなりません。
また、飛行の目的に応じて、操縦者の飛行経歴や必要な知識・能力に関する基準をクリアしている必要があります。
事前の準備を怠ると申請が差し戻される原因となるため注意してください。
DIPS 2.0でのオンライン申請
ドローン飛行許可申請は、DIPS 2.0でオンライン申請を行います。
DIPS 2.0とは、国土交通省が管理しているドローン情報基盤システムのことです。
システム上でアカウントを作成し、飛行の目的や日時、ルート、機体情報を入力します。
必要書類や添付データを画面の指示に従ってアップロードし、不備がないことを確認して送信します。
申請後は、審査状況をシステム上で確認し、審査が完了すると許可書が交付されます。なお、飛行許可・承認の申請に手数料はかかりません。
ドローンの飛行申請には、包括申請と個別申請があります。
それぞれの違いを確認していきたいと思います。
包括申請
包括申請は、一定期間内の反復的な飛行や複数エリアでの飛行を対象とする申請方式です。
手続きの回数を減らし効率的に運用できるメリットがあります。
業務の目的に応じて適切な申請方式を選択することが重要です。
個別申請
個別申請は、特定の日時や単一の場所での飛行を対象とする申請方式です。
厳密な飛行計画に基づく確実な許可取得ができるメリットがあります。
包括申請の要件に合致しない場合や、特殊な環境下で飛行させる場合に選択されます。
申請後に行うべきこと
ドローン飛行の許可を得た後、実際にドローンを飛ばす際には守るべき義務が以下、3つあります。
- 飛行計画の通報
- 飛行日誌の作成
- 書類の保管
飛行計画の通報
飛行計画の通報とは、ドローンを実際に飛行させる前に、飛行日時やルートなどの情報をDIPS 2.0を通じて関係機関へあらかじめ伝える手続きを指します。
安全な航空交通を維持し、他の航空機との衝突を回避するために重要な役割を果たします。
通報を怠ると法令違反となるため、飛行の直前には必ず完了させる必要があります。
運航管理者は、天候の変化やルートの変更が生じた場合にも速やかに再通報を行う体制を整えなければなりません。
飛行日誌の作成
飛行日誌とは、ドローンの飛行時間やメンテナンス状況、点検記録などを継続的に記録する書面です。
機体の安全性を維持し、万が一のトラブルが発生した際の原因究明を容易にするために作成が義務づけられています。
日誌には、飛行ごとの日時や場所、操縦者の氏名などを正確に記載する必要があります。
形式的な記録にとどめず、機体のコンディションを把握するための実用的なツールとして活用することが大切です。
書類の保管
作成した飛行日誌や許可書などの関連書類を適切に管理し、当局からの求めに応じて提示できるように備えることを指します。飛行の際には、許可書またはその写しを携行する必要があります。
書類の紛失や破損を防ぐため、物理的なファイルだけでなく電子データとしてのバックアップを併用することが推奨されます。
あらかじめ管理体制を整えておく必要があります。
コンプライアンスを維持する上で、書類の適切な管理は欠かせない要素となります。
ドローン許可申請にかかる費用と期間の目安
ドローンの許可申請を自分で行う場合と、専門家に依頼する場合では、かかるコストやスケジュールが異なります。
計画的に準備を進めるために、費用と期間の目安を把握しておきましょう。
申請にかかる大まかな要素は以下の通りです。
- 手数料の有無
- 代行依頼の費用相場
- 審査にかかる日数
事前の予算計画とスケジュールの見通しを立てることが、円滑な事業運営を支えます。
自分で申請する場合の費用と期間
DIPS 2.0を利用して自分で飛行許可・承認の申請手続きを行う場合、手数料は無料ですが、機体登録や技能証明などの手続きには別途手数料が発生します。
費用を抑えられるメリットがある一方で、書類の作成や修正に時間がかかる場合があります。
国土交通省は、飛行開始予定日の少なくとも10開庁日前までに申請するよう求めています。
余裕を持ったスケジュールで申請手続きを開始することが大切です。
書類の不備による遅延を考慮し、飛行予定日の数週間前には申請を完了させておくことが望ましいといえます。
行政書士に依頼する場合の費用相場とメリット
手続きを確実かつ迅速に進めたい場合には、行政書士などの専門家に代行を依頼する方法があります。
行政書士に依頼する場合の費用や期間の目安について、以下のとおりです。
| 依頼内容 | 費用相場 | 期間の目安 |
| 飛行許可申請の代行(基本プラン) | 30000円から50000円程度 | 1週間から3週間程度 |
| 包括申請および年間サポート | 50000円から100000円程度 | 2週間から4週間程度 |
手続きが複雑であるため、事業として継続的に運用する場合には行政書士に依頼することを検討すべきです。
【業務利用向け】安全なドローン運用のための注意点
ビジネスや業務としてドローンを継続的に運用する場合には、法令上の許可だけでなく、実務上の安全管理が必要です。
周囲の環境やトラブルへの備えを万全にすることが求められます。
業務運用で注意すべき事項は以下の通りです。
- 地上でのルール確認
- 事故への備え
- 緊急時の連絡体制
安全確保の徹底が、企業の信用を守る上での重要な基盤となります。
航空法以外の許可取得|道路使用許可・土地管理者の同意など
航空法の許可を得ていても、飛行させる場所によっては他の法律や権利に関する手続きが必要です。
道路上で離着陸を行う場合や、交通の妨げになるような方法でドローンを飛ばす場合は、所轄警察署への道路使用許可の申請を行わなければなりません。
また、私有地や公園の上空を飛行させる場合には、土地の所有者や管理者の同意を事前に得ることが必要です。
所有者との調整不足によるトラブルを避けるための丁寧な事前の連絡が求められます。
権利関係の確認を怠ると、土地所有権やプライバシーの侵害として民事上の責任を問われるリスクが生じるため注意が必要です。
ドローン保険への加入の重要性
万が一の墜落や衝突事故に備えて、ドローン専用の損害賠償責任保険や任意保険に加入することが大切です。
業務利用において事故が発生した場合、被害者への賠償額が高額になるケースがあります。
対人および対物の賠償補償を備えた保険商品を選ぶことで、経営リスクを大幅に軽減するメリットが得られます。
予期せぬ事態に対する経済的な備えが事業の安定性を支えます。
万全の補償体制を整えることが、クライアントからの信頼を獲得する条件ともなります。
事故発生時の報告義務
ドローンの飛行中に事故や重大なトラブルが発生した場合には、法令に基づく報告義務が生じます。
機体の墜落や衝突によって人が負傷した場合や、物件の損壊が生じたときには、直ちに飛行を中止して負傷者の救護など危険を防止するための措置を講じるとともに、航空法に基づき国土交通大臣への報告を行わなければなりません。必要に応じて警察への連絡も行います。
事故の原因を究明し、再発防止策を講じることが事業者としての責任となります。
正確な状況把握と速やかな報告体制を平素から準備しておくことが必要です。
法令で定められた報告を行わなかった場合、罰則の対象となるため厳格な対応が求められます。
改正ドローン規制に関するよくある質問(Q&A)
ドローンの規制や申請手続きに関して、よくある質問について確認していきたいと思います。
Q1. ドローンの国家資格(免許)がないと飛ばせませんか?
国家資格がなくても、特定の空域や方法に該当しない通常の飛行であれば、無免許でドローンを飛ばすことができます。
また、航空法で定められた特定飛行を行う場合には、国家資格である無人航空機操縦者技能証明を保有し、機体認証を受けた機体を用いるなど一定の条件を満たすことで、一部の飛行について許可・承認の手続き自体が不要になるメリットがあります。
運用の目的に合わせて資格取得を検討することが有効です。
安全性の向上と業務効率化の両面から、資格保有者の需要は高まりを見せています。
Q2. 自分の土地(私有地)なら許可なく自由に飛ばせますか?
私有地であっても、その場所が人口集中地区に該当する場合や、空港周辺の空域にあたる場合には航空法の規制が適用されます。
そのため、所有地であるという理由だけで無条件に飛ばせるわけではなく、空域の条件を満たしていない場合は事前の許可や承認が必要となります。
所有権の範囲と空域の管理法律が異なる点を正しく理解する必要があります。
地上権と上空の空域規制は別個に判断されるため、私有地内であっても法令の確認を怠ってはなりません。
Q3. 無許可で飛行した場合の罰則は?
航空法や小型無人機等飛行禁止法に違反して無許可で飛行させた場合、法的責任を問われます。
違反の悪質性や状況に応じて、罰金刑や拘禁刑などの刑事罰が科されることがあります。
法令を遵守し、必ず適切な手続きを経てから飛行させることが重要です。
厳格なペナルティが存在することを常に意識した運航が求められます。
法令違反は企業の社会的信用を一瞬で失墜させる原因となるため、全社的なコンプライアンスの徹底が必要です。
Q4. 200g未満のドローンなら申請は一切不要ですか?
現在の法制度では、重量の基準が100g未満に引き下げられています。
そのため、かつての200g未満という基準ではなく、100g未満の機体のみが航空法の規制対象外となります。
100g以上200g未満の機体は規制の対象に含まれるため、通常の機体と同様に登録や許可申請の手続きが必要です。
最新の重量基準を確認することが重要です。
旧来の基準にとらわれず、現行法規に適合した正確な機体管理を行うべきです。
まとめ
今回は改正されたドローン規制の全体像と許可申請の手続きについて紹介しました。
ドローンの安全な飛行を実現するためには、関連する法規を遵守し、状況に応じた適切な許可申請を行うことが求められます。
ドローンの利用を検討している方は行政書士への相談を検討してください。





