【27年4月~】食料品の消費税引下げで何が変わる?
2026/09/29

円安や物価高騰対策として、消費税の引き下げがあります。
本記事では、2027年4月から予定されている食料品の消費税率の引下げについて、具体的な影響や事業者の対応方法を解説します。
2027年4月から食料品の消費税が1%に
2027年4月から、消費税率の臨時的な引下げが開始される方向で準備が進められています。
期間については2年間で暫定措置として実施される方針です。
消費税の引き下げとなる範囲は飲食料品全般が中心となります。
なぜ実質ゼロではなく1%なのか?
消費税率をゼロではなく1%にする背景には、事業者がシステム改修や価格表示の変更を行う際の混乱を最小限に抑える狙いがあるといわれています。
また、極端な税率の変動を避けることで、市場全体の急激な変化を防ぐ目的も含まれています。
2019年の軽減税率導入との違い
2019年10月に導入された軽減税率と飲料食品の軽減税率の違いは、据え置きかどうかです。
以前の軽減税率は、あくまで消費税が8%から10%増税に移行するときの据え置き措置です。
一方で今回の消費税の軽減措置は、8%から1%へと引き下げることになります。
また、前回は複数税率の定着が主な目的でしたが、今回は物価高に対する一時的な負担軽減が目的となっています。
【立場別】消費税1%引下げによる影響
消費税が1%に引き下げられることによって起こり得る影響を確認していきましょう。
消費者:食費の負担はどれくらい軽くなる?
消費税率が1%になることで、日々の買い物における支払額の負担が軽減されます。
毎日のスーパーマーケットでの買い出しや、食料品の購入にかかる総額が抑えられます。
家計における食費の割合が大きい世帯ほど、恩恵を実感しやすいと考えられます。
ただし、対象外となる品目との組み合わせによって実際の節約効果には違いが生じます。
事業者(飲食店・小売店):売上・経理・資金繰りへの影響
小売店や飲食店では、税率が変更されることに伴い、売上管理や資金繰りの見直しが必要になります。
特に、酒類や日用品を取り扱い場合、複数税率が混在するため、日々の売上集計や帳簿付けの正確性がこれまで以上に求められることになるといえます。
飲食店は要注意!店内飲食10%・テイクアウト1%で対応はこう変わる
消費税の軽減税率によって大きな影響を受けるのは、飲食店です。
具体的に確認していきましょう。
税率差9%!会計オペレーションの注意点
消費税の軽減税率の注意点として、会計オペレーションの違いがあります。
店内飲食には従来の標準税率が維持されます。
一方で、テイクアウトや持ち帰りの飲食料品には1%が適用されることになります。
したがって、これまで以上に注文を受ける際や会計の場面で、店内利用か持ち帰りかを正確に判別することが大切です。
誤った税率で処理してしまうと、後日の修正や顧客とのトラブルにつながる恐れがありますので注意が必要です。
デリバリーやケータリングの扱いはどうなる?
出前サービスやデリバリー、あるいはケータリングは状況によって適用税率が異なります。
したがって、それぞれのサービスごとに定められた基準を確認し、システムやメニュー表に正しく反映させることが求められます。
【事業者向け】2027年4月までに準備すべき4つのステップ
事業者の方は、2027年4月の消費税減税までに以下の4つの準備を整える必要があります。
STEP1:レジ・POSシステムの対応準備
税率の変更を正確に処理するためには、現在使用しているレジやPOSシステムの改修が欠かせません。
システム会社への早めの連絡と、改修スケジュールを確認することが重要です。
機器の台数や規模によっては作業に時間がかかるため、計画的な準備が求められます。
対応が遅れると営業に支障が出るため、早い段階で専門の業者へ相談することが大切です。
STEP2:価格表示(メニュー・値札)の見直し
消費税率の変更に伴い、店舗で使用しているメニュー表や値札の書き換えが必要になります。
総額表示のルールに則り、顧客が支払う金額を明確に示さなければなりません。
紙の印刷物だけでなく、店内のデジタルサイネージやインターネット上のホームページの価格表記も対象となります。
STEP3:経理・税務処理の確認
税率が混在する期間の売上管理や仕入の帳簿付けについて、経理担当者の間で処理方法を共有しておく必要があります。
税理士などの専門家の意見を取り入れながら、自社の経理ソフトが新しい税率に対応しているかテストを行うことも必要です。
STEP4:お客様への告知とスタッフへの周知徹底
新しい税率や店舗での対応方針について、来店するお客様へ事前に分かりやすく知らせることが大切です。
レジ周辺への掲示や、ホームページを通じた案内文の掲載を行います。
また、店内で接客や会計を行うスタッフ全員が正確な知識を持つよう、事前の研修やマニュアルの共有を徹底してください。
【注目】レジ改修・導入に使えるデジタル化・AI導入補助金とは
経済産業省では、今回の消費税率の引下げに伴うレジシステムの改修で利用できる制度として、AI導入補助金です。
AI導入補助金の主な補助対象経費には、POSレジシステムの改修費や基幹システムの改修費などが含まれます。
対象となる事業者の要件については、以下の通りです。
- 補助対象は一定の要件を満たす中堅企業である
- 常時使用する従業員の数が2000人以下であること
- みなし大企業の要件に合致しないこと
- 直近の財務諸表上、自己資本比率が40%未満であること
対応が複雑で自社だけで判断するのが難しい場合には、専門家に相談することを視野に入れてください。
食料品の消費税1%引下げに関するQ&A
食料品の消費税1%に関する質問をまとめてみましたので、確認してください。
Q. この制度はもう決定事項ですか?今後のスケジュールは?
税制改正の大綱の与党案が閣議決定が行われており、2027年4月の実施に向けた具体的な検討が進められています。
今後のスケジュールとしては、関係する法案の整備や公募要領の発表などが2026年12月くらいまでに順次行われる予定です。
Q. お酒やみりん、医薬品なども1%になりますか?
酒税法に定める酒類や、一部の医薬品などは軽減対象の飲食料品から除外されるのが一般的です。
みりんについても、みりん風調味料に該当しなければ酒類にあたるため、適用対象外です。
Q. 簡易課税事業者や免税事業者も対応は必要ですか?
税制の仕組み上、納税義務の有無に関わらず、価格表示やレジの税率設定の変更はどの事業者にも共通して求められます。
免税事業者の場合であっても、取引先との関係や顧客への価格提示において適切な対応が必要となります。
自社の事業形態がどちらに該当するかを整理し、必要な準備を整えておくことが大切です。
Q. 補助金の申請は難しいですか?どこに相談すればいい?
補助金の申請手続きでは、指定された要件の確認や必要書類の準備が求められます。
書類の不備があると手続きが滞る原因になるため、早めに内容を確認することが重要です。
手続きを進める中で不明な点が生じた場合には、経済産業省の担当窓口や地域の商工団体などに問い合わせることをおすすめします。
まとめ
今回は食料品の消費税率の引下げについて確認していきました。
消費税の引き下げは、家計の負担を軽くする一方で事業者にとってはシステムの変更や経理の調整など多くの対応を求められる制度です。
補助金などの支援制度も視野に入れながら、早めに体制を整えておくことが大切です。




