横領罪と背任罪の判断基準|権限の逸脱か権限の濫用か
2026/05/16

会社という組織の中で発生する財産犯罪において、横領罪と背任罪の区別は極めて重要でありながら、その境界線は非常に繊細なものです。
どちらの罪が成立するかによって、法定刑の重さや公訴時効の期間、さらには裁判における立証のポイントが大きく異なります。
本記事では横領罪と背任罪の判断基準などについて解説します。
横領罪と背任罪の境界線はどこ?会社財産をめぐる犯罪の基本
企業法務や刑事実務において、会社財産を毀損する行為は、大きく横領と背任に大別されます。
これらは共に、他人との信頼関係、すなわち委託信任関係を破壊する背信的犯罪という共通の性質を持っています。
法的な運用の場においては、行為者がどのような地位にあり、どのような目的で、どのような権限を行使したのかが厳密に精査されることになります。
まずは、これら二つの罪を峻別するための基本的な概念について整理します。
判断の基準は権限の逸脱か権限の濫用であるかで決まる
横領罪と背任罪を分ける基準は、その行為が与えられた権限の範囲内で行われたか、それとも範囲を完全に超えて行われたかという点にあります。
一般的に、横領は自己の占有下にある他人の物を、権限がないのに所有者でなければできないような処分をする行為のことを指します。
これが、権限の逸脱です。
一方で、背任は権限の濫用であり、自己に与えられた事務処理権限の範囲内ではあるものの、その権限を不当に行使して会社に損害を与える行為をいいます。
この逸脱と濫用の線引きが、有罪無罪や罪名の決定を左右する決定的な要素となります。
横領罪:与えられた権限を逸脱し、財物を自分のものにする行為
横領罪は、自己の占有する他人の物を不法に領得することによって成立します。
ここでいう占有とは、単なる物理的な所持だけでなく、法律上の支配、たとえば不動産の登記名義を有している状態や、銀行口座の管理権限を持っている状態も含まれます。
横領行為の本質は、委託を受けた者がその信頼を裏切り、他人の物をあたかも自分の所有物であるかのように自由に扱う点にあります。
具体的な運用においては、物を売却したり、質に入れたり、あるいは預金を私的に消費したりする行為が典型例です。不法領得の意思が客観的な行動として現れた瞬間に、横領罪は完成、すなわち既遂となります。
背任罪:与えられた権限を濫用し、会社に損害を与える行為
背任罪は、他人のためにその事務を処理する者が、自己や第三者の利益を図り、または本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をすることを指します。
背任罪の対象は財物に限られず、財産上の利益全般、たとえば債権や会社の信用なども含まれます。
背任罪の最大の特徴は、行為者が形式的には事務処理の権限を持っているという点です。
たとえば、融資の権限を持つ銀行の支店長が、審査を怠って回収不能な不良貸付を行う行為がこれに当たります。
支店長には融資を決定する権限はありますが、それを不当な目的で、会社(本人)の利益に反して行使したこと場合、背任行為にあたります。
実務上は、経営上のミスと、犯罪としての背任行為との区別が慎重になされます。
比較表で見る横領罪と背任罪の違い
横領罪と背任罪の比較表を作成しましたのでご確認ください。
| 項目 | 横領罪(特に業務上横領) | 背任罪 |
| 法律上の規定 | 刑法252条・253条 | 刑法247条 |
| 行為の対象 | 財物(物、現金など)に限定されます。 | 財産上の利益(権利、信用等)全般です。 |
| 行為の態様 | 権限の逸脱(所有者として振る舞う)。 | 権限の濫用(任務に背く行為)。 |
| 主観的要件 | 不法領得の意思が必要です。 | 図利加害の目的が必要です。 |
| 計算の帰属 | 自己の計算で行われます。 | 本人の計算で行われます。 |
| 法定刑(業務上) | 10年以下の拘禁刑(旧懲役)。 | 5年以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金。 |
| 未遂の処罰 | 規定がありません。 | 規定があります。 |
上記から分かる通り、横領罪の方が背任罪よりも重い刑罰が設定されています。
これは、他人の物を自分のものにしてしまうという行為の方が、権限の不当行使による損害発生よりも、社会に与える影響が大きいと考えられているためです。
横領罪とは?3つの種類と成立する要件
刑法では、横領罪をその性質に応じて3つの類型に分けて規定しています。
それぞれの成立要件を確認していきましょう。
単純横領罪(刑法252条)
単純横領罪は、自己の占有する他人の物を横領することによって成立します。
①自己の占有する
物理的な所持のほか、法的・実質的な支配力を有すことを指します。
②他人の物である
委託関係に基づき預かっている財産です。
③横領した
不法領得の意思を実現する行為です。
単純横領として有罪となった場合の法定刑は5年以下の拘禁刑(旧懲役)です。
たとえば、友人からカメラを借り、それを勝手に中古品店に売却してしまう行為がこれに該当します。
また、公務所から保管を命じられた自己の所有物を隠匿する行為も、この条文によって処罰されます。
業務上横領罪(刑法253条)
業務として他人の物を占有している者が横領を行った場合に適用されるのが、業務上横領罪です。
ここでの業務とは、社会生活上の地位に基づき、継続的に従事する事務を指します。
銀行員が顧客から預かった現金を着服したり、経理担当者が会社の小切手を私的に換金したりする行為が挙げられます。
業務上の信頼を裏切る行為であるため、単純横領罪よりも著しく重い10年以下の拘禁刑(旧懲役)が科されます。
実務においては、その事務が自らの権限において独立して行うものか、他人の補助として行うものかは問われません。
継続的に他人の財産を扱う立場にある以上、高い倫理性と注意義務が求められることになります。
遺失物等横領罪(占有離脱物横領罪)(刑法254条)
遺失物、漂流物、その他占有を離れた他人の物を横領した場合に成立します。
委託物横領(単純・業務上)との決定的な違いは、被害者との間に事前の委託関係が存在しない点にあります。
たとえば、道端に落ちている財布を拾って届け出ずに自分のものにする行為や、間違って届けられた郵便物を開封して利用する行為が該当します。
法定刑は1年以下の拘禁刑(旧懲役)または10万円以下の罰金・科料と、横領罪の中では最も軽微です。
ただし、物が依然として元の所有者の支配下にあるとみなされる場合には、窃盗罪(10年以下の拘禁刑)が成立する可能性があるため注意が必要です。
遺失物横領か窃盗罪なのかは、場所的・時間的な近接性から、占有が継続しているかどうかで判断されます。
横領罪が成立するための不法領得の意思とは
横領罪が成立するためには、単に物を持ち去るだけでなく、不法領得の意思が存在しなければなりません。
最高裁判所の判例(昭和24年3月8日)によると、不法領得を他人の物の占有者が、その委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに、所有者でなければできないような処分をする意思と定義しています。
不法領得の意思は、主に以下の2つの要素から構成されます。
■排除意思:真の権利者を排除し、自分や第三者の物として振る舞う意図です。
■利用処分意思:その物の本来の経済的用法に従い、利用または処分しようとする意図です。
たとえば、数分間だけ借りるつもりの使用窃盗や、単に嫌がらせで物を壊す器物損壊とは、この意思の有無によって区別されます。
後で返すつもりであったと弁明しても、数日間にわたり返還を拒絶したり、自分の用途に消費したりしていれば、不法領得の意思ありと判断される可能性が高いです。
背任罪とは?成立する要件と特別背任罪
背任罪は、会社の経営や事務処理を任された者が、その任務を放棄して自分や他人の利益を優先させた際に問われる罪です。
契約社会における公正な取引と、信任関係の保護を目的としています。
背任罪の構成要件(刑法247条)
背任罪が成立するためには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります
①主体
他人の財産を管理したり、対外的な交渉を行ったりする地位にある人が主体でなければなりません。
②行為
その任務に背く行為(任務違背行為) 法律や契約、あるいは信義則から期待される誠実な事務処理に違反することを指します。
③目的
自己または第三者の利益を図る、あるいは本人に損害を加えることが目的で行為をしたことが前提となります。
④結果
本人に財産上の損害を加えたことで実際に財産価値が減少した、または得られるはずの利益が失われた結果が必要です。
⑤故意
①から④までの事実を認識して行ったことが必要となります。
①から⑤の一つでも欠ければ、背任罪としての処罰はなされません。
図利加害目的が重要なポイント
背任罪は目的犯であり、不注意や判断ミスでは成立しません。
行為者の主観的な目的が、どこに向かっていたかが決定的な意味を持ちます。
たとえば、会社のために良かれと思って行った投資が失敗したとしても、そこに私利私欲や会社を貶める意図がなければ、図利加害目的は否定されます。
一方で、自分の保身や名誉のために、粉飾決算を行って虚偽の業績を発表したり、親族の会社に不当に高い価格で業務を発注したりする行為は、自己の利益を図る目的があるとして、背任罪が成立します。
財産上の損害の考え方
背任罪における損害とは、必ずしも現金が失われることだけを指すのではありません。
経済的な見地から、被相続人ならぬ本人の財産状態が悪化したと評価される場合も含まれます。
たとえば、十分な担保を取らずに融資を実行し、貸し倒れのリスクを著しく高めた時点で、財産上の損害が発生したとみなされるのが判例の確立された考え方です。
これは、本来であれば回収の確実性が高い資金が、不確実な状態に置かれたこと自体が経済的な価値の減少であると捉えられているためです。
また、不当に高いコストを支払わせたり、本来得られるはずのロイヤリティを放棄させたりする行為も、既存財産の増加を妨げるものとして損害に当たります。
損害額が確定していなくても、実害発生の危険を生じさせれば足りるとされています。
特別背任罪(会社法960条)との関係
株式会社の取締役、監査役、執行役などの経営陣が背任行為を行った場合には、刑法の背任罪ではなく、会社法の特別背任罪が適用されます。
これは、企業の経営者には極めて高度な注意義務と忠実義務が課されていることを反映した特別法です。
特別背任罪の法定刑は10年以下の拘禁刑(旧懲役)若しくは1,000万円以下の罰金、またはこれの併科と、一般の背任罪よりも格段に重くなっています。
大規模な不祥事が発生した際、捜査機関はこの特別背任罪の適用を視野に、経営陣の意思決定がどうなされたかの調査を行う必要があります。
社会的な影響力が大きい地位にある者が、会社を私物化することを厳しく戒める規定といえます。
また、清算人や支配人などもこの罪の主体に含まれることが明文化されています。
【ケース別】これは横領?それとも背任?具体的な判断事例
横領と背任の違いは非常に難しいです。
具体的な事例について紹介していきたいと思います。
ケース1:経理担当者が会社の資金を自分の口座に送金した
経理担当者が会社の資金を自分の口座に送金した場合、業務上横領罪に該当する可能性が高いです。
経理担当者は、会社の現預金を管理・占有する権限を業務として持っています。
その占有している金を、正当な権限がないのに自分のプライベートな口座に移す行為は、まさに不法領得の意思の実現に他なりません。
この際、経理担当者は会社という所有者の計算で動いているのではなく、完全に自己の計算、自分のための利得行為として行動しています。
形式的な送金手続きが社内のルールに則っていたとしても、実質的な支配権を奪取した時点で罪が成立します。
ケース2:取締役が回収不能と知りつつ知人の会社に融資した
取締役が回収不能と知りつつ知人の会社に融資した場合、背任罪(特別背任罪)に分類される可能性が高いです。
取締役には、会社の資金を運用し、融資を決定する包括的な事務処理権限が与えられています。
知人の会社を助けるという第三者の利益を図る目的で、本来の職務である審査義務を放棄し、会社に損害(焦げ付きのリスク)を与えたことが任務違背行為とみなされます。
取締役は、あくまで会社の代表という名目、すなわち本人の計算で融資という法律行為を行っていますが、その権限を濫用したことが問題の本質といえます。
ケース3:会社の不動産を売却後、登記が残っていることを利用して二重売買した
会社の不動産を売却後、登記が残っていることを利用して二重売買したようなケースの場合、一見複雑ですが、判例(最高裁昭和33年10月8日)によれば横領罪が成立します。
不動産を売却した段階で、実質的な所有権は買主に移転していますが、登記名義が会社に残っている場合、会社(またはその代表者)は法律上の占有を維持しているとみなされます。
この法的地位を悪用して、別の第三者に再び売却し、登記を移転させてしまう行為は、買主の所有権を排除して所有者でなければできないような処分をするものです。
これは権限の濫用ではなく、もはや権限のない物を勝手に処分した権限の逸脱に当たります。
不動産のような高額資産の二重譲渡は、取引の安全を著しく害する背信行為として厳しく処罰される傾向にあります。
ケース4:営業担当者が集金した売上金を着服した
営業担当者が集金した売上金を着服した場合、業務上横領罪が成立します。
営業担当者が顧客から現金を受け取った瞬間、その金銭の占有は会社に移りますが、担当者は会社のためにそれを占有・保管する立場となります。
その保管中の現金を、会社に納金せずに自分の財布に入れる行為は、委託を受けた物を不法に領得する行為です。
もし、解雇された後であることを隠して集金した場合には、会社に対する横領ではなく、顧客に対する詐欺罪が成立する場面もあります。
どの罪に問われるのかは、いつの時点で雇用の効力が失われたのか、集金行為が職務の範囲内であったかどうかが重要となります。
横領罪・背任罪の時効
犯罪が発生してから一定期間が経過すると、検察官が起訴できなくなるのが公訴時効です。
業務上横領罪と背任罪、特別背任罪の公訴時効は以下のとおりです。
- 業務上横領罪:7年
- 背任罪:5年
- 特別背任罪:7年
公訴の時効は、犯罪行為が終了した時点からカウントされます。
一方で、会社側が損害を被ったことに対して賠償を求める民事上の請求には、消滅時効が適用されます。
不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から3年、または不法行為の時から20年を経過すると消滅します。
刑事の時効が完成していなくても、民事の時効が先行して完成することがあります。
横領や背任を犯してしまったら?発覚後のリスクと取るべき行動
横領や背任にあたる過ちを犯してしまった、または疑いをかけられた場合、初動対応によって結果が大きく異なります。
逮捕・勾留による身柄拘束
横領や背任は、証拠の隠滅や逃亡の恐れが高いと判断されやすいため、逮捕・勾留される可能性が非常に高い犯罪です。
逮捕されれば48時間以内に検察庁へ送られ、さらに24時間以内に勾留の要否が判断されます。
勾留が認められれば、原則10日間、延長されればさらに10日間、合計で最大23日間にわたり、留置場での拘束生活を余儀なくされます。
この間、会社や家族との連絡は厳しく制限され、社会的な信用を失墜させるリスクに直面します。
会社からの懲戒解雇や損害賠償請求
刑事手続きと並行して、社内での処分も進められます。
業務上横領や背任は、就業規則における懲戒解雇事由の筆頭に挙げられる重大な背信行為です。
適正な手続きを経て解雇されれば、退職金は支給されず、その後の再就職も極めて困難になる傾向にあります。
また、会社側からは着服した資金や、行為によって生じた実損害に遅延損害金を加えた額の賠償を求められます。
実務上は、私的な資産を全て投げ打っても完済できないケースが多く、自己破産を検討せざるを得ないケースもあります。
とはいえ、自己破産をしたとしても悪意の不法行為による損害賠償請求権は、自己破産をしても免責されない性質を持つため、負債を一生背負い続けるリスクがあります。
刑事罰(実刑・執行猶予)と前科
検察から起訴され、有罪が確定すれば、前科がつきます。
被害額が高額であったり、手口が巧妙で悪質であったりする場合、被害弁償が全くなされていないようなケースでは、初犯であっても実刑判決となる可能性が高いです。
実刑となれば、刑務所への収容され、自由を奪われることになります。
したがって、罪を犯した場合には、真摯に反省することを示し、早期に被害者である会社と示談が成立させることが大切になります。
最悪の事態を避けるために今すぐ弁護士に相談を
横領や背任の問題に直面した際、自力での解決はほぼ不可能です。
会社側の追及は厳しく、警察の取り調べは非常に専門的な手法で行われます。
有利な状況を作り出すためには、刑事事件に精通した弁護士へすぐに相談することが重要です。
弁護士は、依頼者の方の言い分を整理し、法的な妥当性を検討した上で、会社側との交渉や捜査機関への対応を行うことが可能です。
横領・背任問題の解決を弁護士に依頼するメリット
弁護士に横領・背任問題を依頼するメリットを紹介します。
被害者(会社)との示談交渉で刑事事件化を防ぐ
横領・背任問題を弁護士に依頼するメリットは、会社側との示談交渉を円滑に進められる可能性が高い点にあります。
会社が警察に被害届を出す前に、謝罪と返済の計画を提示し、会社側の合意を得ることができれば、事件を公にせずに解決できる可能性があります。
専門家である弁護士であれば、会社側の怒りや不信感を汲み取りつつ、冷静かつ客観的な立場から和解案を提案することが可能です。
自ら直接交渉を試みることは、強要や口止めと取られるリスクがあるため、避けるべきです。
逮捕・勾留の回避や早期の身柄解放を目指せる
すでに捜査が始まっている場合、弁護士は裁判官に対し、証拠隠滅の恐れがないことや、身元引受人がいることを主張します。
これにより、勾留の回避や、決定の取り消しを求めることを起こすことが可能になります。
身柄を拘束されないまま在宅での捜査に切り替われば、身柄拘束をされずにすみます。
不起訴処分や執行猶予付き判決の獲得可能性が高まる
弁護士は、検察官や裁判官に対し、犯行に至った背景にある汲むべき事情や、本人による深い反省の態度を、専門的な書面(意見書)として提出します。
たとえば、生活苦による一時的な魔が差したケースや、不適切な管理体制が背景にあったケースなど、情状酌量の余地があることを書面で伝えます。
また、将来にわたって再犯を防ぐための具体的な対策、たとえばギャンブル依存症の治療計画や、家族による厳格な監督体制の構築などを提示します。
このように多角的な弁護活動を行うことで、刑罰の軽減や前科の回避という具体的な成果に繋げることが期待できます。
会社との処遇(懲戒解雇など)に関する交渉
刑事手続きだけでなく、労働法上の処分についても、弁護士はアドバイスを提供することが可能です。
懲戒解雇が有効となるための手続き上の瑕疵を指摘したり、自主退職という形で穏当な幕引きになるよう交渉したりします。
また、退職金の扱いについても、全額没収ではなく一部支給を求めるなど、その後の生活資金の確保に向けた調整を行うことも可能です。
さらには、解雇予告手当の請求や、社内備品の返還といった細かな事務手続きもサポートします。
これは弁護士に依頼する大きなメリットといえるでしょう。
横領・背任に関するよくある質問
横領罪や背任罪に関する質問をまとめてみましたのでご確認ください。
Q. 少額でも横領・背任になりますか?
はい、金額の多寡は罪の成立そのものには影響しませんので罪に問われる可能性があります。
数百円の備品を勝手に持ち帰って自分のものにする行為も、法的には業務上横領罪を構成し得ます。
ただし、被害額が極めて少額で、本人が深く反省している場合には、微罪処分として警察の段階で厳重注意で済んだり、検察官による起訴猶予となったりする可能性が高いです。
しかしながら、金額が小さくても何度も繰り返している場合や、悪質な手口を用いている場合には、厳しい処罰を免れないため、安易に考えてはなりません。
Q. お金を全額返せば罪になりませんか?
全額の返済は、非常に強力な減軽要素にはなりますが、それだけで罪が消えるわけではありません。
横領罪や背任罪は、不法領得の意思を実現したり、損害を発生させたりした瞬間に既遂となるため、後日の補填は「事後的な損害回復」として扱われます。
しかし、被害届を出される前に全額を返し、会社と和解が成立していれば、刑事事件として立件されないケースもあります。
Q. 家族や親族間の金銭トラブルも横領罪になりますか?
家族間であっても横領罪は成立しますが、親族相盗例という特例の適用を受けます。
民法上の配偶者、直系血族、同居の親族の間で犯された横領罪については、その刑が法律上当然に免除されます。
その他の親族の場合には、告訴がなければ起訴できない親告罪となります。
これは「法は家庭に入らず」という考え方に基づくもので、身内間の争いはまずは身内で解決すべきであるという法の姿勢の表れです。
ただし、成年後見人という公的な立場にある親族が、被後見人の財産を横領した場合には、この特例は適用されないとするのが近年の最高裁の判断です。
関係性の違いよって適用の可否が分かれるため、慎重な事実確認が求められます。
Q. 弁護士費用はどのくらいかかりますか?
刑事事件の弁護を依頼する場合、着手金と報酬金の二段階で費用が発生するのが一般的です。
事案の複雑性や身柄拘束の有無によりますが、一般的にはそれぞれ30万円から60万円程度が目安とされることが多状況です。
会社との示談交渉を別途行う場合には、その分の費用が加算されることもあります。
一見高額に感じられるかもしれませんが、長期の身柄拘束による機会損失や、前科がつくことによる将来的な不利益を考慮すれば、自身の人生を守るための投資として妥当であると考える方も少なくありません。
具体的な見積もりについては、初回相談時に説明を受けてください。
まとめ
今回は横領罪と背任罪の判断基準について解説しました。
横領罪と背任罪は、会社財産を毀損する重大な犯罪であり、その判断基準は権限の逸脱か濫用かで異なります。
不安な場合には、刑事事件に精通している弁護士に相談することを検討してください。




