詐欺罪で逮捕?執行猶予や警察から連絡が来たらすること

2026/06/02

詐欺罪で逮捕?執行猶予や警察から連絡が来たらすること

詐欺罪は法定刑に罰金がなく、対応を誤れば長期間の身柄拘束や実刑判決を免れない重大な犯罪となります。

本記事では、詐欺罪の成立要件から逮捕後の手続き、そして示談を通じた執行猶予獲得のポイントなどについて解説します。

もし詐欺で警察から連絡が来たら?まず冷静にやるべきこと

自身が詐欺行為をした場合、警察から電話が来ることがあります。

このような場合、何をすべきなのでしょうか。

確認していきましょう。

連絡内容(出頭要請の日時・場所・容疑)を正確に把握する

警察から電話がかかってきた場合、まずは以下をメモしてください。

  • 所属する警察署
  • 担当の部署
  • 担当官の氏名

その上で、いつ、どこへ出向く必要があるのか、そして何どういう立場で任意調査を求められているのかを確認しましょう。

参考人としての呼び出しか、被疑者として疑われているのかによって対応が大きく変わります。

実際に犯罪を行ったとしても電話口で詳細な事実関係を語る必要はありません。

供述するにしても認識の相違を避けるため、事情聴取のときに伝えるべきと言えます。

なお、指定された日時に都合が悪い場合は、正当な理由を述べて日程の変更を相談することも可能です。

警察側も任意捜査の段階であれば柔軟に応じる傾向があります。

その場で安易な回答や言い訳はしない

警察から連絡があった場合、巧みな話術を用いて電話口でのやり取りから事件に関する供述を引き出そうとすることがあります。

このとき、曖昧な弁明や虚偽の説明を行うのは避けてください。

後日の取り調べにおいて供述の矛盾として厳しく追及される可能性が高くなります。

したがって電話では聞かれたことにだけ短く答え、事件の中身に関する質問には、出頭してから直接話す旨を伝えて回答を保留した方がよいと言えるでしょう。

警察の呼び出しは無視せずまず弁護士に相談する

詐欺罪の嫌疑をかけられているなどで警察から電話があった場合、意図的に無視したり、着信拒否に設定したりする行動は絶対に避けるべきです。

連絡を絶つ行為は、逃亡や証拠隠滅の恐れがあると警察が判断し、逮捕される可能性が高くなります。

警察の任意捜査には応じる姿勢を見せ、またその期日の前に刑事事件に精通した弁護士に直ちに相談することを行ってください。

弁護士は、依頼者の方の話を機器、警察がどのような意図で連絡をしてきたのかを分析し、出頭する際の同行や、取り調べを受けるうえでのアドバイスを行えます。

事前に弁護士と打ち合わせを行うことで、警察の威圧的な態度に屈することなく、冷静に自身の権利を主張できる可能性が高まります。

詐欺罪とは?成立する要件と刑罰

詐欺罪とは、簡単に言うと自分の意思で他人の財産を不当に奪う行為のことをさします。

刑事事件では詐欺罪するための要件を定めています。

確認していきましょう。

詐欺罪が成立する4つの構成要件

詐欺罪(刑法246条)が成立するためには、以下の要素がすべて満たされる必要があります。

①欺罔行為

欺罔行為とは、人を騙す意図をもって、嘘の事実を相手に伝える行動を指します。

事実を隠蔽すること(不作為)も、状況によってはこれに該当します。

②錯誤

錯誤とは、その欺罔行為によって、被害者が真実と異なる認識を抱き、騙された状態に陥ることを意味します。

③処分行為

処分行為とは、錯誤に陥った被害者が、自らの意思に基づいて財産や利益を加害者に差し出す行動をいいます。たとえば、騙されて自ら現金を振り込む行為が考えられます。

④財物の移転

の財物の移転とは、被害者の財産が加害者または加害者の指定した第三者のもとへ移り、被害者に財産的な損害が発生することです。

なお、嘘を見破られて現金を受け取れなかった場合には、詐欺未遂罪となります。

詐欺罪の刑罰は10年以下の拘禁刑

詐欺罪で有罪判決を受けた場合の法定刑は、10年以下の拘禁刑と定められています。

2025年に刑法が改正され、これまでの懲役刑と禁錮刑が一本化されて新たに拘禁刑という刑罰が導入されました。

拘禁刑は、刑務所内での作業義務を画一的に課すのではなく、受刑者の更生に向けた教育や指導に重点を置いた柔軟な処遇を可能にするものです。

詐欺罪には罰金刑の規定が存在しないため、有罪となれば直ちに拘禁刑の宣告を受けることになります。

また、初犯であっても、被害額が多額であったり、組織的かつ計画的な犯行であったりする場合には、3年を超える拘禁刑を言い渡され、執行猶予がつかずに実刑となる可能性もあります。

詐欺の種類と具体例(特殊詐欺、給付金詐欺、投資詐欺など)

現代において、詐欺の手口はインターネットや通信技術の発達により非常に高度化かつ多様化しています。

代表的な詐欺の類型は以下の通りです。

詐欺の類型主な手口と特徴
特殊詐欺電話やメールを悪用し対面せずに財物を騙し取る
給付金詐欺公的機関に対し虚偽の申請を行い資金を不正受給する
投資詐欺SNSを通じて架空の投資話を持ちかけ資金を振り込ませる
ロマンス詐欺マッチングアプリで恋愛感情を抱かせ金銭を要求する
無銭飲食最初から代金を支払う意思がないのに注文して飲食する

特殊詐欺には、オレオレ詐欺や還付金詐欺、架空料金請求詐欺などが含まれ、受け子や出し子といった末端の役割であっても厳罰に処されます。

給付金詐欺は、新型コロナウイルス関連の持続化給付金不正受給を契機に増加し、現在も各種補助金を狙った手口が後を絶ちません。

投資詐欺やロマンス詐欺は、国際的な犯罪グループが関与していることも多く、被害回復が極めて困難な犯罪類型として社会問題化しています。

逮捕された後の流れ【最大23日間】

詐欺の容疑で逮捕された後、最大で23日のあいだ身柄を拘束される恐れがあります。

具体的な流れについて確認していきましょう。

①逮捕~警察の取り調べ(最大48時間)

逮捕の瞬間から、被疑者は警察署の留置場に収容され、携帯電話などは没収されて外部との自由な連絡は一切遮断されます。

逮捕直後は、たとえ同居する家族であっても面会することは許されません。

警察は逮捕後48時間以内に初期の取り調べを実施し、供述調書の作成を試みます。

また、48時間が経過する前に、事件の証拠とともに被疑者の身柄を検察官に引き継ぐ送致の手続きを行う義務を負っています。

取り調べで作成された調書に一度署名と指印をしてしまうと、後から内容を覆すことがほぼ困難になるため注意してください。

②検察への送致~勾留請求の判断(最大24時間)

警察から送致を受けた検察官は、引き継ぎから24時間以内、かつ逮捕の時刻から72時間以内に、引き続き身柄を拘束する必要があるかどうかを判断します。

被疑者と面接を行い、逃亡の恐れや証拠隠滅の恐れがあると判断された場合、検察官は裁判所に対して勾留を請求します。

一方で、逃亡の危険がないと判断されれば、身柄は釈放されて在宅のまま捜査が続くことになります。

裁判官は検察官からの請求を受け、被疑者と面接する勾留質問を行った上で、勾留の可否を決定します。

この逮捕後72時間は、弁護士が意見書を提出し、勾留を阻止するための活動を行う上で非常に重要となる時間です。

③勾留~起訴・不起訴の判断(最大20日間)

裁判官が勾留を認めると、原則として10日間の身柄拘束が留置場において継続します。

詐欺事件のような被害者の特定や金の流れの解明に時間を要する複雑な事案では、検察官の請求によりさらに最大10日間の勾留延長が認められます。

そのため、逮捕から合計すると最大で23日間にわたる長期の身柄拘束が行われます。

この期間中、連日のように長時間の取り調べが行われ、検察官は集まった証拠をもとに、裁判にかける起訴か、それとも処罰を見送る不起訴かを最終的に決定します。

不起訴を得るためには示談交渉は、この公訴の提起の判断までに完了させることが望ましいと言われています。

④起訴後の流れ(刑事裁判)と判決

検察官によって起訴された場合、被疑者は被告人という呼び名に変わり、引き続き身柄の拘束が続きます。

起訴後は、裁判所に対して保釈金を納めることで身柄の解放を求める保釈請求が可能となります。

しかし、詐欺事件、特に共犯者が多数関与する組織的な詐欺の場合は、口裏合わせによる証拠隠滅を防ぐ目的から、保釈が却下される傾向にあります。

起訴から約1か月から2か月後に第1回公判期日が開かれ、検察側と弁護側の証拠調べや証人尋問が行われます。

審理が終結した後、裁判官によって有罪無罪の判断および具体的な量刑、すなわち実刑か執行猶予かが宣告される判決が下されます。

詐欺罪で執行猶予を獲得し実刑を回避するための3つの重要ポイント

詐欺を行い、起訴された場合高い確率で有罪となり、刑務所に収監されるおそれがあります。

有罪となった場合の手段として、執行猶予を受けることです。

執行猶予を獲得するための重要なポイントについて確認していきたいと思います。

ポイント1:被害者との示談を成立させる

詐欺事件において、被害者との間に示談を成立させることは実効性の高い対応策といえます。

理由などについて考えていきましょう。

示談の重要性|不起訴・執行猶予の可能性を高める最大の防御

被害者が被った財産的被害を回復し、当事者間での和解が成立しているという事実は、検察官や裁判官の判断に大きな影響を与えます。

国家が刑罰を科す目的の一つは被害者の無念を晴らすことにありますが、被害者自身がすでに損害の賠償を受け、解決を受け入れているのであれば、厳罰を科す必要性が薄れるためです。

示談書の中に加害者の処罰を望まないという意思表示が含まれていれば、検察官が起訴を見送る起訴猶予となる可能性が高まります。

もし起訴された後であっても、示談が成立していれば情状酌量の大きな根拠となり、執行猶予付きの判決を獲得するための有利な要素になります。

詐欺事件の示談金相場と決め方

詐欺事件の示談金は、基本的には騙し取った被害額の全額を返還することがベースとなります。

被害額に加えて、被害者が被った精神的苦痛に対する慰謝料や、事件によって生じた実費などを上乗せして提示するのが一般的です。

被害感情が強い場合、被害額の何倍もの金額を要求されることもありますが、法的な観点から妥当な相場を見極め、粘り強く交渉を続ける必要があります。

複数人による共同正犯の場合、被害総額全額を一人で賠償しなければならない連帯責任を負うため、共犯者間での負担割合の調整も複雑な問題となります。

金額そのものよりも、迅速かつ誠実に支払いに応じる姿勢を示すことが、被害者と示談を成立させるために重要です。

示談書の書き方と記載すべき重要項目

示談が成立した場合、後日の紛争を防ぐために以下の条項を盛り込み、示談書を作成する必要があります。

①合意した示談金の金額と支払期日

合意した示談金額と、支払い方法、支払期日、振込指定先の口座などを記載してください

②宥恕文言(ゆうじょもんごん)

宥恕文言とは、被害者が加害者の行動を許し、刑事処罰を求めないという旨の文章です。

③清算条項

清算条項とは、本件に関し今後一切の金銭的請求や民事訴訟を行わない旨を確認する条項で、将来のトラブルリスクを少なくするために欠かせないものです。

④守秘義務条項

守秘義務条項は、事件の内容や示談が成立した事実をSNSや第三者に漏らさない旨の約束をいいます。

これらの条項に漏れがあると、後日再び慰謝料を請求されるリスクが残るため注意してください。

ポイント2:できるだけ早く弁護士へ相談・依頼する

詐欺事件を起こした場合、できるだけ早く弁護士へ相談や依頼すべきだといえます。

逮捕前からできる弁護活動(自首同行、示談交渉)

警察から連絡が来た段階、あるいは自身の犯行が発覚する前の段階で弁護士に依頼できれば、逮捕そのものを回避する戦略を立てることが可能です。

また、弁護士とともに警察署に出頭する自首同行は、逃亡や証拠隠滅の恐れがないことを捜査機関に強くアピールし、在宅捜査を獲得するための有利な手段となります。

さらに、警察が介入する前に被害者を特定し、水面下で示談交渉を完了させることができれば、被害届が提出されるのを防ぎ、事件化自体を回避できる可能性もあります。

逮捕後の接見と取り調べへのアドバイス

逮捕直後の72時間は家族であっても面会が禁じられており、この孤独な期間に面接できるのは弁護士のみです。

自分の意図と異なるニュアンスで書かれた供述調書には署名や指印を拒否するといった、具体的な行動についてアドバイスを受けることができます。

また、依頼者の方は取り調べの度に、弁護士が接見を行うため、精神的なプレッシャーを軽減し、適切な主張を行うことが可能になります。

家族への連絡や会社対応もサポート

突然の逮捕は残された家族に計り知れない混乱をもたらし、長期間の無断欠勤によって会社から懲戒解雇されるリスクも生じます。

弁護士は家族に対して事件の状況や今後の見通しを正確に説明し、精神的な支えとしての役割を果たします。

また、勤務先への説明についても、被疑者の不利益とならないようなアドバイスを行うことが可能です。

ポイント3:真摯な反省と再発防止策を示す

被害の回復と並んで裁判所が重視するのが、加害者本人の内省と、二度と犯罪に手を染めないための具体的な環境整備です。

具体的なポイントを確認していきましょう。

自首のタイミングと効果|刑の減軽が期待できるか

刑法42条の規定により、犯罪が捜査機関に発覚する前、あるいは犯人が誰であるか特定される前に自ら警察に申告した場合、刑が減軽される可能性があります。

自首が成立すれば、法的な減軽事由として裁判官の判断に有利に働き、実刑を回避する強力な根拠となります。

なお、すでに警察が被疑者として特定してからの出頭は、法律上の自首としては認められず、単なる任意出頭として扱われます。

とはいえ、逃亡せずに自ら出向いた事実は反省の情の表れとして情状酌量の余地を生むため、無意味ではありません。

反省文の作成や贖罪寄付の検討

詐欺罪で起訴された場合、公開裁判になります。

公判においては、自身の行いが被害者や社会に与えた損害を深く理解していることを、客観的な形で示す必要があります。

自らの言葉で綴った反省文や謝罪文を法廷に提出することは、真摯な態度を伝える基本的な方法です。

被害者が示談金や謝罪の受け取りを頑なに拒否している場合には、贖罪寄付という制度を活用することが有効な手段となります。

贖罪寄付とは、日本弁護士連合会や地域の弁護士会が運営する基金に対して一定の金銭を寄付する行為であり、社会的・公益的な償いを行った客観的証拠として裁判で評価されます。

また、家族による監督体制の構築や、更生プログラムへの参加計画などを証拠として提出し、再犯の可能性がないことを論理的に立証することが求められます。

詐欺罪に関するよくある質問

詐欺事件に関する質問についてまとめました。

Q.詐欺罪の初犯でも実刑になりますか?執行猶予の確率は?

被害額が大きく、被害弁償が全く行われていない場合には、初犯であっても実刑判決となる可能性は十分にあります。

特に、組織的な特殊詐欺において現金を受け取る役割や引き出す役割を担っていた場合、裁判所は非常に厳しい態度で臨む傾向にあります。

これは、末端の実行犯に対する厳罰化が、犯罪組織全体の抑止に繋がると考えられているためです。

しかし、被害額の全額が弁償され、被害者との間に示談が成立している場合には、初犯であれば執行猶予がつく確率が格段に高まります。

個別の状況と被害回復の有無が、最終的な判決を左右する決定的な要素となります。

Q.詐欺とは知らなかったという理由は通用しますか?(受け子など)

SNSの闇バイトなどで荷物を受け取るだけと言われ、中身が犯罪で得た現金だと明確には知らなかったと主張するケースが多発しています。

しかし、報酬が仕事の内容に比して不自然に高額であることや、指示が匿名性の高いアプリで行われているなどの客観的状況から、違法なものであるかもしれないと疑いながら行為に及んだとみなされます。

これを未必の故意と呼び、明確な犯罪の認識がなくても、詐欺罪の故意が成立すると判断されます。

したがって、騙すつもりはなかった、詐欺だとは知らなかったという弁解は、刑事裁判の実務上ほとんど通用しません。

Q.示談金が払えない・返金できない場合はどうなりますか?

被害額が多額で全額を直ちに返金できない場合、示談の成立は極めて困難となります。

示談が不成立であれば、検察官によって起訴される可能性が高まり、実刑を免れるためのハードルは格段に上がります。

このような状況では、親族からの経済的支援を頼るなどして、少しでも被害回復に向けた資金を集める努力が求められます。

また、全額の返還が難しくても、一部の金額だけでも被害者に受け取ってもらい、残額を分割で支払う内容の公正証書を作成することで、誠意を示す方法もあります。

被害弁償に向けた具体的な計画と実行の事実が、量刑を判断する上での重要な情状証拠となります。

Q.詐欺罪の時効は何年ですか?

刑事訴訟法に基づく詐欺罪の公訴時効は7年と規定されています。

つまり、詐欺の犯行が終了した時点から7年間、捜査機関によって起訴されずに逃げ切ることができれば、刑事罰を問われることはなくなります。

しかし、共犯者が起訴されて裁判を受けている期間や、本人が海外に逃亡している期間は、時効の進行が停止する仕組みとなっています。

また、刑事上の時効とは別に、被害者から損害賠償を求められる民事上の消滅時効が存在します。

民法に基づく不法行為の損害賠償請求権は、被害者が損害および加害者を知った時から3年、または不法行為の時から20年で時効を迎えます。

時効の制度は複雑であり、安易に逃げ切れると考えることは極めて危険な判断です。

まとめ

今回は詐欺罪について紹介していきました。

詐欺罪は法定刑に罰金がなく、実刑判決による長期間の身柄拘束リスクが非常に高い犯罪です。

警察からの連絡があった際は、決して無視はせず、任意捜査に協力することが大切です。

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