退職代行は弁護士がおすすめ!非弁リスクなく残業代請求・有給消化

2026/06/13

退職代行は弁護士がおすすめ!非弁リスクなく残業代請求・有給消化

退職の意思を自ら伝えることが困難な状況下で、退職代行サービスの利用を検討する労働者が増加しています。

しかし、代行業者の選定を誤ると、法的なトラブルに巻き込まれたり、本来受け取れるはずの権利を放棄したりするリスクが生じます。

本記事では退職代行を依頼できる業者のサービスの違いや弁護士に依頼するメリットなどについて解説します。

退職代行サービスは3種類!民間業者・労働組合・弁護士の違いとは?

退職代行サービスの依頼先は、大きく以下3つに分けることができます。

  • 民間業者
  • 労働組合
  • 弁護士

それぞれ提供できるサービスの違いについて確認していきましょう。

民間業者:できるのは退職意思の伝達のみ

一般の株式会社などの民間企業が運営する退職代行サービスは、法的な権限を持たないためできる業務は本人の退職の意思を会社に伝達することに限定されます。

会社側から退職日の調整や有給消化の可否未払い賃金の支払いについて反論があった場合、民間業者はそれに対して交渉を行うことが法律で禁じられています。

民間業者が会社の担当者と条件交渉を行えば、弁護士法72条が禁ずる非弁行為に該当し、違法となります。

非弁行為とは、弁護士資格を持たない者が報酬を得て法律事務を行うことです。

したがって、会社から損害賠償を請求するなどといった連絡がある場合には、民間業者では対応を行うことはできません。

民間業者に退職代行を依頼した場合の費用は1万円から3万円程度と比較的安価ですが、紛争が起きた場合には、別途弁護士に依頼する必要がある点には注意が必要です。

労働組合:団体交渉権はあるが、法的手続きは不可

退職代行の依頼先として労働組合があります。

ご自身が組合員である場合、労働組合は団体交渉権を行使し円滑に退職が行えるようサポートすることが可能です。

サポートが可能な範囲として、退職日の日程調整や有給休暇の取り扱い、また未払い残業代の支払いについて交渉を行うことなどがあります。

民間業者と比較して対応できる範囲が広く、会社側も労働組合からの団体交渉を正当な理由なく拒否することは不当労働行為となるため、一定の強制力が働きます。

ただし、労働組合が行えるのはあくまで交渉までです。

会社が交渉を拒絶し続けたり、未払い残業代の支払いに応じなかったりした場合、最終的な解決を図るための労働審判や裁判といった法的手続きを代理で行う権限は持っていません。

弁護士:交渉から訴訟まで代理人として全て対応可能

弁護士が提供する退職代行サービスは、民間業者や労働組合とは異なり、労働者の法的な代理人としてすべての業務を遂行する権限を有しています。

退職意思の伝達はもちろんのこと、有給消化や未払い賃金の交渉、退職金の請求などの交渉や紛争対応などを依頼者の代理人として制約なく行うことが可能です。

【比較表】弁護士・労働組合・民間業者のサービス範囲

それぞれのサービスで対応できる業務の範囲を、以下の表に整理しましたので確認してみてください。

対応業務の範囲弁護士労働組合民間業者
退職意思の伝達
退職日・有給消化の交渉×(非弁行為となる)
未払い残業代・退職金の交渉×
ハラスメント等の慰謝料請求××
会社からの損害賠償請求への対応××
労働審判・裁判の代理人××

退職代行を弁護士に依頼する5つのメリット

退職代行を弁護士に依頼するメリットとしておもに以下の5つが考えられます。

1. 非弁行為のリスクがなく安心

弁護士に退職代行を依頼するメリットとして、代理人としての権限を有しているため、非弁行為のリスクがない点です。

退職代行の利用を検討した場合の懸念点として、代行業者が非弁行為した結果、その交渉自体が無効となったり、依頼者が違法行為に関与したとみなされたりするリスクが考えられます。

しかし、弁護士に依頼すれば非弁行為で交渉が無効になるという心配はありません。

これは退職代行を弁護士に依頼する大きなメリットと言えます。

2. 未払い残業代や退職金・慰謝料などの金銭請求が可能

弁護士に退職代行を依頼するメリットとして、未払い残業代や退職金などのトラブルが会社とあった場合に対応できる点です。

退職をした際会社との交渉がうまくいかず、未払いとなっている残業代や規定に基づいた退職金の受け取りを諦めてしまうといったケースも少なくありません。

弁護士であれば、退職の手続きと並行してこれらの金銭的な請求を適法に行うことができます。

タイムカードの打刻記録や業務メールの履歴などを精査し正確な未払い額を算出した上で、会社に対して法的根拠に基づいた支払いを求めます。

また上司からのパワーハラスメントやセクシャルハラスメントが原因で退職に至った場合には、その精神的苦痛に対する慰謝料を請求することも可能です。

民間業者や労働組合では対応しきれない複雑な金銭交渉を任せられるため、結果として退職代行にかかった費用以上の金額を回収できる事案も多々あります。

正当な権利を主張し、経済的な損失を防ぐための有力な解決策といえます。

3. 有給消化や退職日などの条件交渉を有利に進められる

退職代行を弁護士に依頼するメリットとして有給消化や退職日などの条件交渉を有利に進めやすい点にあります。

労働基準法上、労働者には年次有給休暇を取得する権利が保障されています。

しかし、退職時に「引き継ぎが終わっていないから」という理由で、有給を認めないなどと会社から拒否されるケースは少なくありません。

弁護士に依頼すれば、残っている有給をすべて消化した上で退職日を設定し、実質的な出勤を当日からゼロにするなどの対応を行うことができます。

4. 会社からの損害賠償請求ををされても対応できる

弁護士に退職代行を依頼するメリットのひとつに会社から損害賠償請求をされるといったトラブルに対応できることがあります。

退職を申し出た際、会社の中には、「急に辞められると業務が回らないから、損害賠償を請求する担当していたプロジェクトの損失を補填しろ」といった不当な脅しをかけてくる場合があります。

法律上、労働者の退職によって直ちに損害賠償が認められることは稀ですが、個人で会社からの脅しに対抗するのは難しいといえます。

しかし、弁護士がいれば、会社からの要求が不当であった場合、法的に違法であることを伝え、依頼者に不利益が被らないような手段を講じることができます。

5. 会社との連絡を完全に代理!精神的な負担から解放される

弁護士に退職代行を依頼するメリットとして、退職手続きを依頼者に代わり行えることがあります。

弁護士は、受任した時点で会社に対して今後の連絡はすべて代理人である弁護士宛てに行うことを通知します。

これにより、会社の上司や人事担当者から、依頼者の携帯電話や自宅に直接連絡が来ることを防ぐことができます。

また、退職に伴い、行う必要のある次のような手続きも代理してもらうことができます。

  • 退職届の提出
  • 健康保険証の返却
  • 離職票の受け取り
  • 貸与品の返却

退職絵理由が、会社内の人間関係にある場合には、すべての手続きを弁護士が代理することができるため精神的な負担を大きく軽減できることが期待できます。

こんなお悩みは弁護士に相談!依頼すべき具体的なケース

退職代行を弁護士に依頼すべきかどうかは、会社と交渉をする必要があるか、またトラブルに発展するかどうかなどの判断基準があります。

具体的に依頼すべきケースについて確認していきましょう。

ケース1:未払い残業代や退職金をきっちり請求したい

退職代行を弁護士に依頼すべきケースとして、退職のサポートだけでなく未払い残業代などの賃金を請求したいときが考えられます。

具体的には、長時間のサービス残業が常態化していたり、就業規則に退職金の規定があるにもかかわらず支給を渋られたりしている場合が考えられます。

賃金は労働者が受け取るべき対価です。

そのため、退職するからといって諦める必要はまったくありません。

しかし、個人で会社に対して請求を行うと、辞める人間になぜ払わなければならないのかと払ってもらえないことがあります。

このような場合、弁護士に依頼することで、内容証明郵便によって請求の意思表示を行い、連絡を取ることで会社と交渉できる可能性が高くなります。

また、勤怠記録などを収集し、支払われていない未払い賃金を正確に産出することで適正額を得られるようなサポートを行うこともできます。

ケース2:パワハラやセクハラが原因で退職するので慰謝料も請求したい

退職代行を弁護士に依頼すべきケースとして、退職理由が会社内でおこったパワハラやセクハラだった時が考えられます。

上司からの日常的な暴言や、不当な業務の強要、あるいはセクシャルハラスメントによって精神的苦痛を受けた場合、加害者に対して、慰謝料を請求することができます。

また、直接加害行為をしたものだけでなく、会社に対して使用者責任に基づく損害賠償請求することも可能です。

ただし、慰謝料請求を成功させるためには、録音データ、メールの履歴、心療内科の診断書など証拠の収集と、会社側にこちらの主張に正当性があると思わせ、合意を得なければなりません。

弁護士は、ハラスメントの証拠の精査や相手方との示談交渉、必要であれば労働審判や民事訴訟などをサポートできます。

ケース3:辞めたら訴えるなどと脅されていて怖い

弁護士に退職代行を依頼すべきケースとして、会社側が圧力をかけて辞めさせないようにするなどといった行為をすることがあります。

民法上、雇用期間の定めのない労働契約においては、労働者は原則としていつでも退職を申し出ることができ、2週間の経過によって契約は終了します。

「辞めたら懲戒免職にして退職金を出さない」などというような会社側の脅しは、労働者の立場につけ込んだ不当な引き留めにすぎません。

しかし、そのような会社でご自身が異を唱えたとしても、主張が通らず退職までの期間が伸びる可能性が高いです。

一方、弁護士が受任し、代理人となれば不当な引き止め要求には法的根拠がないと毅然と主張し、退職の手続きを行うことができます。。

弁護士による退職代行の流れ【相談から退職完了まで】

弁護士に退職代行を依頼した場合の相談から退職完了までの流れを紹介します。

STEP1:相談・問い合わせ

退職代行を検討した場合、まずは労働問題や退職サポートに強い弁護士をネットなどで探し、電話やメール、LINEなどで問い合わせを行い、初回相談の予約をします。

初回の相談では、現在の職場の状況や希望する退職の条件について聞き取りが行われます。

それから、どのような対応を行うのか、費用はいくらになるかといった見通しが提示されます。

弁護士への依頼を検討する際には、費用面だけでなくご自身の悩みを包み隠さず話せるかどうかなど、相性も重要となります。

したがって迷った場合には、複数の事務所に相談することを検討してみると良いと思います。

STEP2:弁護士との面談・契約締結

相談内容に納得し、依頼を決意した場合は、弁護士との間で正式な委任契約を締結します。

近年では、直接事務所に足を運ばなくても、オンライン面談や電子契約システムを利用して、即日で契約を完了できる事務所も増えています。

契約締結後、着手金と呼ばれる初期費用を振り込みます。

なお、一括の支払いが難しい場合には、成果報酬型や分割払いに対応している事務所を探すのも手段のひとつといえます。

契約を締結し、正式に弁護士が受任されたら、退職やそのほかのトラブルに向け、証拠収集や、今後の動きをどのように行うのかなどの打ち合わせが行われます。

STEP3:弁護士から会社へ受任通知・交渉開始

入金が確認されると、弁護士は会社に対して直ちに受任通知を送付します。

受任通知には、弁護士が労働者の代理人となったこと、今後の連絡はすべて弁護士宛てに行うこと、そして退職の申し出や有給消化の要求などが記載されています。

会社は受任通知を受け取った後、労働者本人に直接連絡し交渉することが事実上禁じられます。

弁護士は、会社の担当者と電話や書面でやり取りを行い、退職日の確定や有給の扱い、未払い賃金の支払いについて法的な交渉を進めます。

STEP4:退職届の提出・貸与品の返却

弁護士と会社の間で退職に関する合意が得られたら、実際に退職の手続きを進めます。

退職日が確定した時点で、依頼者が作成した退職届を弁護士経由などで会社に提出します。

また、会社から貸与されているパソコン、携帯電話、社員証、制服などの物品についても返却を行います。。

私物が会社に残っている場合は、弁護士を通じて会社に郵送してもらうよう手配することも可能です。

STEP5:退職完了・離職票などの書類受領

会社との合意書で設定された退職日を迎えれば法的に退職が完了となります。

退職後、会社からは離職票、雇用保険被保険者証、年金手帳、源泉徴収票といった、次の就職や失業保険の申請に必要な書類が送られてきます。

これらの書類についても、直接送付するか、弁護士を経由して受け取るか依頼者の意向によって選ぶことが可能です。

なお、未払い残業代や退職金の交渉を行っていた場合は、交渉によって合意した金額が指定日に口座へ振り込まれたことを確認してから手続きが完了することになります。

弁護士への依頼費用は?料金相場と内訳を解説

退職代行やそれに付随する請求を行う場合、弁護士に依頼する費用はどれくらいになるのでしょうか。

料金相場や内訳を確認していきましょう。

相談料:無料の事務所が多数

相談料とは弁護士に依頼する前の相談に関する費用です。

現在、退職代行を専門に扱う多くの法律事務所では、初回の相談料を無料に設定しています。

LINEやメールでの相談回数に制限を設けていない事務所もあり、費用を気にすることなく、自身の状況を詳しく伝えることが可能です。

有料の場合には、30分あたり5000円から1万円で設定されていることが多いです。

着手金:5万円~30万円程度が相場

着手金とは、弁護士に正式に依頼し、活動を開始してもらうために支払う初期費用です。

未払い賃金の請求がなく、退職代行の意思を書面で送付することのみを依頼する場合には、5万円から7万円程度が相場となります。

一方で、未払い残業代の請求や慰謝料請求など他の労働トラブルが絡む交渉を要する場合は、着手金が10万円から30万円程度になることもあります。

なお、最近では労働事件については着手金を無料とし、完全成功報酬制を採用している事務所も存在します。

成功報酬:回収額の20%前後が目安

成功報酬とは、未払い残業代や退職金、慰謝料など、弁護士の交渉によって会社から金銭を回収できた場合に発生する費用です。

一般的には、実際に回収できた金額の20パーセント前後が成功報酬として設定されます。

たとえば、交渉によって100万円の未払い残業代を回収できた場合、そのうちの20万円(+消費税)を成功報酬として弁護士に支払い、残りの80万円が手元に残る計算となります。

弁護士の退職代行に関するよくある質問

弁護士による退職代行の利用を検討している方が持つ質問をまとめてみましたので確認してみてください。

Q. 弁護士に頼むと会社とトラブルになりませんか?

むしろ、弁護に依頼することでトラブルが未然に防がれ、スムーズに解決する可能性が高くなります。

会社側が、専門家である弁護士を相手に違法な引き留めや不当な要求を押し通す可能性は低いと言えます。

弁護士からの受任通知を受け取った時点で、多くの会社は諦めて事務的な退職手続きへと移行します。

個人で交渉するよりも迅速に事態が収束する傾向にあります。

Q. 本当に会社や上司と話さずに辞められますか?

はいm弁護士が代理人に就任した後は、会社との連絡はすべて弁護士が窓口となります。

会社に対して本人には直接連絡しないよう強く警告するため、上司からの電話やメールに怯える必要はありません。

もし万が一、会社から直接連絡があった場合でも、報告を行ってもらえれば、弁護士が会社に厳重な抗議を行うことが可能です。

退職届や貸与品のやり取りも郵送で完結するため、出社する必要も顔を合わせる必要もありません。

Q. 離職票や源泉徴収票はちゃんともらえますか?

はい、受け取ることができます。

離職票や源泉徴収票の交付は、雇用保険法や所得税法に基づく会社の義務です。

弁護士は、退職の交渉と併せて、これらの必要書類を遅滞なく発行し、指定の住所へ送付するよう会社に強く求めます。

会社が嫌がらせで書類の発行を遅らせるようなことがあれば、弁護士から法的措置をちらつかせて迅速な対応を促します。

次の就職活動や失業保険の申請に支障をきたすことはありません。

Q. 公務員でも弁護士に依頼できますか?

はい、公務員の方であっても弁護士による退職代行の利用は可能です。

ただし、公務員の退職については、民間企業に適用される民法や労働基準法ではなく、国家公務員法や地方公務員法といった特別な法律が適用されます。

したがって、即日での退職が難しい場合もありますので詳しくは相談時に弁護士へ相談してください。

Q. 残業代請求に必要な証拠は何ですか?

未払い残業代を請求するためには、実際に残業をしていたことを客観的に証明する証拠が重要となります。

有力な証拠として、タイムカードの記録、勤怠管理システムのログ、オフィスの入退室記録などがあげらます。

しかし、これらが手元にない場合でも、弁護士に依頼すれば以下のような証拠を収集し、賃金請求が認められるよう尽力します。

  • 業務で使用していたパソコンのログイン・ログアウト履歴
  • 上司への業務報告メールの送信時刻
  • 手書きの業務日報

まとめ

今回は退職代行について解説しました。

退職代行は、会社を辞めるという目的に利用するサービスです。

しかし、状況によっては未払い賃金の回収や有給消化といった問題が生じ、民間業者や労働組合では対応できないこともあります。

そのような場合には、早期に弁護士へ相談することを検討してください。

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