離婚届の証人は誰に頼む?頼れる人がいない時の対処法
2026/09/26

協議離婚を進めるにあたり、離婚届の証人欄を誰に記入してもらうべきか悩むケースは少なくありません。
本記事では、離婚届の証人は誰に頼むのか、また頼れる人がいないときの対処法について解説していきます。
離婚届の証人とは?2名の署名が必要
夫婦が協議離婚する場合、夫婦は2名の証人が必要になります。
というのも、離婚届には証人の署名欄があるからです。
証人欄の記入がない書類は、提出しても受理されません。
離婚時に、証人が必要な理由は、夫婦がお互いに納得して離婚を決めたことを確かめ、勝手な届出をしないようにする目的で設けられています。
離婚届の証人になれる人は?
離婚届の証人になれる人とは、どのような他t理場の者なのでしょうか。
確認していきましょう。
離婚届の証人は18歳以上なら誰でもなれる
離婚届の証人は、18歳以上の成人であれば誰でもなることができます。
特別な資格や夫婦との親族関係にある者でなければならないなどといった、制限は設けられていません。
つまり、年齢の条件をクリアしていれば、基本的に誰に頼んでも問題内ということです。
一般的には、夫婦と以下のような関係にあるひとにお願いすることが多いといわれています。
- 両親
- 兄弟姉妹
- 親族
- 友人
- 職場の同僚
証人は必ずしも夫婦それぞれが1人ずつ用意しなければならないわけではありません。
どちらか片方の親族や知人に依頼する形でも役所で問題なく受理されます。
離婚届の証人は自分の子どもでもいい?
離婚の証人は、成人さえしていれば夫婦の間に生まれた子どもでもなることができます。
ただし、現在の成人年齢では高校生も含まれます。
状況によっては、両親の離婚という事柄に対し、子どもが精神的な負担がかかる恐れもあるため、十分に配慮する必要があります。
離婚届の証人の義務
離婚届の証人を引き受けても、夫婦の離婚に関する金銭的な義務や借金の返済責任などを負うことはありません。
証人が担う役目は、当事者である夫婦に離婚の合意があることを確認して署名することのみです。
ただし、離婚は当事者間の内面に関わる重要な問題であるため、周囲の者に極力知られたくないなどの事情がある場合には、証人になったことを口外しないことをあらかじめ取り決めておくべきといえます。
離婚届の証人と保証人の違い
証人と似た言葉に保証人という言葉があります。
同じような意味と勘違いしてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、法律上、証人と借保証人の役割は大きく異なります。
離婚届の証人は、夫婦の双方が離婚に意思があることを確かめ証明する立場のことをいい、特別な事情があるときをのぞき、その立場に何か法的義務が生じることはありません。
対して、保証人は、借金などを負う債務者が返済しきれなかったとき、代わりにその義務を履行する義務を負う立場の者をいいます。
証人と保証人、1文字違いではありますが、意味合いが大きく異なります。
したがって、保証人を頼まれたときには、そのひととの信頼関係などよく考えてなるかどうか決めた方がいいといえます。
離婚届の証人と保証人の比較表
離婚の証人と保証人の具体的な違いを以下の表でまとめてみました。
気になる方は確認してみてください。
| 比較項目 | 離婚届の証人 | 借金などの保証人 |
| 役割 | 離婚合意の事実を証明する | 主債務者の代わりに返済義務を負う |
| 金銭的責任 | なし | あり |
| 期間の拘束 | 署名時のみ | 債務が完済されるまで継続する |
| 不利益の有無 | なし | 経済的な損害を被る可能性がある |
離婚届の証人が不要なケース
離婚の証人は、家庭裁判所の手続きを経て成立する離婚では、離婚届への証人署名は不要とされています。
証人署名が不要な理由として、裁判所の手続きでは、裁判官などが間に入って双方の意思をきちんと確かめているので、すでに公的に離婚が証明されている状態になっているとみなされるからです。
該当する手続きには次の3つの種類があります。
- 調停離婚
- 審判離婚
- 裁判離婚
これらについて1つずつ見ていきましょう。
調停離婚
家庭裁判所の調停手続きにおいて、合意がまとまった場合を調停離婚と呼びます。
合意が成立すると、家庭裁判所によって調停調書が作成されます。
調停成立の日から10日以内に調停調書の謄本を添えて役所へ提出すると、保証人の署名なしに離婚が成立します。
期日を過ぎると過料が科される場合があるため、早めの届出が推奨されます。
審判離婚
調停での合意には至らなかったものの、家庭裁判所が双方の公平を考慮して職権で離婚を命じた場合の離婚です。
家庭裁判所から審判書が交付され、2週間以内に双方が異議を申し立てなければ審判が法的に確定します。
審判離婚の場合も証人の署名は不要であり、審判書の謄本と確定証明書を役所へ届け出ます。
裁判離婚
裁判を起こして離婚を成立させる方法を裁判離婚と呼びます。
裁判所によって法的に離婚が決まるため、証人のサインは不要で、裁判を起こした側が1人で役所に離婚届を出すことができます。
裁判離婚の終わり方は判決だけではないため、終わりの形によって離婚届と一緒に役所へ出す書類が変わります。
一緒に提出する書類は以下の通りです。
- 判決で終わった場合:判決書の謄本と確定証明書
- 和解で終わった場合:和解調書の謄本
- 相手が請求を認めて終わった場合:認諾調書の謄本
判決が決まった日や和解が成立した日から10日以内に、必要な書類をそろえて役所へ提出します。
証人を見つけられない場合は?
親族との関係が疎遠であったり、離婚の事実を周囲に秘密にしておきたい場合、証人を見つけることが難しいことがあります。
離婚の証人を見つけられない場合に利用できる手段として、以下が考えられます。
弁護士に依頼する
離婚の証人が見つけられないときの手段として、弁護士に依頼することが挙げられます。
弁護士には法律上の守秘義務があるため、プライベートな情報が外部に漏れる心配はありません。
ただし、弁護士が離婚届の証人署名だけを単発で引き受けるケースは少ないです。
基本的には、離婚に向けた条件交渉や離婚協議書の作成など、離婚に関する手続き全般をすでに依頼していることが前提となります。
離婚手続きを弁護士に依頼している場合は、証人の引き受けに対応してもらえるか確認してみましょう。
証人代行サービスを利用する
証人が見つからず、さらに弁護士を雇う費用を抑えたい場合に有効な手段として、民間や行政書士が運営する証人代行サービスの利用があります。
有料でスタッフや行政書士が証人欄へ署名を行ってくれます。
利用時の一般的な流れは以下の通りです。
- ウェブサイトから申し込みを行う
- 身分証明書の写しや必要情報を提出する
- 郵送で離婚届を送り、署名をもらう
- 代金を支払って返送された書類を受け取る
費用の目安は1名あたり2,000円から7,000円前後、2名分で2,500円から1万円程度が相場となります。
個人情報の管理が心配な場合は、法律上の守秘義務を負う行政書士事務所が運営する窓口を選ぶと安心です。
他人の名前を勝手に書くのは絶対にダメ
証人を探すのが難しいからといって、他人の名前を勝手に書く行為は絶対に許されません。
相手から電話やメール、口頭で承諾を得ていたとしても、本人の自筆署名が原則です。
無断で他人の名義を使って書類を作成する行為は、これらは刑事罰の対象となる犯罪です。
発覚した場合には離婚そのものが無効とされる危険性もありますので注意してください。
離婚届の証人欄の書き方
離婚届の証人欄の記載内容に誤りや漏れがあると、役所の窓口で受理されず再提出の手間が生じる原因になります。
記入事項をあらかじめ確認し、証人へ正しく伝えておくことがスムーズな手続きにつながります。
書き方
証人欄に記入する具体的な項目は、2名それぞれの次の情報となります。
| 記入項目 | 記入内容とポイント |
| 署名 | 証人本人が自筆で記入し、住民票に登録されている正式な表記を用いる |
| 生年月日 | 西暦または元号で正確に記入 |
| 住所 | 現在住民票が置かれている住所を番地や建物名まで省略せずに記入 |
| 本籍地および筆頭者氏名 | 戸籍に記載されている正確な情報を記入 |
| 押印 | 押印は任意。押す場合は認印や実印を使用し、ゴム印やシャチハタは不可 |
印鑑が押されていなくても本人の署名が正しければ問題なく受理されます。
親族など同じ苗字の2人が証人となり印鑑を押す場合は、別々の印影となる異なる印鑑を使用する必要があります。
離婚の証人に関するQ&A
離婚の証人に関するよくある質問についてまとめてみましたので確認してみてください。
Q.証人に書いてもらった後、役所から証人に確認の連絡がいくことはありますか?
基本的に、役所の窓口から証人へ直接確認の連絡が入ることはありません。
双方が合意して提出する通常の届出であれば、役所から連絡がいく心配は不要です。
ただし、以下のような例外的なケースでは、役所や警察から事実確認が行われる可能性があります。
- 一方から事前に不受理申出書が提出されている場合
- 偽造や無断提出の疑いが極めて強い場合
Q. エホバの証人の信者同士が離婚する場合、証人をどうすればいいでしょうか?
エホバの証人の教義では、不貞行為があったとき以外で、離婚が許されていません。
何かしら問題があり、離婚したいときには、証人というよりも、離婚をどう推し進めていくかが重要となりますので弁護士に相談することを検討してください。
Q. 離婚後、証人に慰謝料請求や不倫相手との示談などで迷惑が及ぶことはありますか?
基本的には、証人に慰謝料の支払い義務や示談の責任が及ぶことはありません。
慰謝料や示談は、あくまで離婚する夫婦の間で解決すべき問題だからです。
ただし、離婚をめぐって激しい争いがある場合は、事実確認を求められるなどトラブルに巻き込まれるリスクが全くないとは言えません。
当事者同士の対立が深刻な場合は、署名を断った方が良いといえます。
まとめ
協議離婚の届出を完了させるには、18歳以上の成人2名による証人署名が法律で義務付けられています。
証人に金銭的な責任や借金の返済義務が発生することは原則としてないため、まずは親族や信頼できる知人へ相談してみましょう。
頼れる相手が周囲にいない場合でも、勝手な記入や偽装は絶対に避け、弁護士や代行サービスなどの選択肢を落ち着いて検討することが大切です。
同じ離婚でも、受け取れる額や進み方は変わります。財産分与の対象には住宅や生命保険、将来の退職金も含まれ、養育費も公正証書にしておけば支払いが滞ったときに給与を差し押さえられます。
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