顧問税理士の選び方とは?選び方のポイントや依頼のメリットを解説
2026/08/21

「会社を経営しているけれど、顧問税理士はつけていない。そろそろ顧問税理士を選ぼうと思うけれど、どうやって選んだらいいのかな?」
顧問税理士は、日常的に会社を税務の側面からサポートしてくれる力強い存在です。
顧問税理士を選ぶに当たっては、いくつかのポイントを押さえて選ぶことが重要です。
適切にポイントを押さえて選ぶことで、よりよい顧問税理士を選ぶことが可能となります。
この記事では、顧問税理士の選び方のポイントや依頼のメリットについて解説します。
顧問税理士とは
顧問税理士とは、税理士のうち、あなたの会社と一定の期間にわたって顧問契約を結んだ税理士のことを言います。
多くの場合は1年ごとの更新ですが、更新を重ねて長い付き合いになることもよくあります。
顧問税理士には、毎月または1年単位で決まった額の顧問料を支払うのが一般的です。
その上で、顧問サービスとして、税務相談や決算の手続きなど税務に関する経営サポートを日常的・継続的に受けることができます。
顧問税理士がいなければ税務上の必要が生じたときにその都度税理士を探してスポットで依頼しなければなりませんが、あらかじめ契約して顧問税理士をつけておけばその必要はありません。
顧問税理士を選ぶときの7つのポイント
顧問税理士を選ぶときのポイントには、次のようなものがあります。
- 人柄や相性が合っているか
- 経験や実績を十分に有しているか
- コミュニケーションやレスポンスが早いか
- 顧問料や報酬が自社の予算に見合っているか
- 専門分野が求めるものと合っているか
- 対応してほしい業務内容に対応してくれるか
- 節税対策について適切なアドバイスをしてくれるか
これらのことについてご説明します。
人柄や相性が合っているか
顧問税理士はスポット契約の税理士とは異なり、深く長く付き合っていくパートナー的な存在です。
日常的・継続的に付き合っていく存在なので、人柄や相性があなたやあなたの会社と合っているかは重要です。
人柄や相性が合っているかは、顧問税理士の契約をする前の初回相談やその後のやり取りの中で確かめていくと良いでしょう。
少しでも違和感があれば、その違和感を見逃さずに顧問契約をしていいのかどうか慎重に見極めましょう。
人柄や相性が良く、長い付き合いになっても大丈夫そうだと思える税理士であれば、顧問契約を締結しても失敗してしまう可能性を極力減らせます。
経験や実績を十分に有しているか
税理士の中には税理士登録したてだったり独立したてだったりして、顧問税理士としての経験を十分に有していないものもいます。
そのような税理士が一律に悪いというわけではありません。
しかし、できることなら顧問税理士としての経験や実績を十分に有している税理士を選ぶほうが安心です。
顧問税理士としての経験や実績は、税理士事務所のウェブサイトに掲載されていることもあります。
ウェブサイトをよく確認してみるようにしましょう。
また、顧問契約を締結する前の段階で「顧問税理士としての経験や実績にはどのようなものがどれくらいあるのか?」ということを率直に質問してみても良いでしょう。
この時、経験や実績の程度にかかわらず、率直に正直に経験や実績について教えてくれる税理士は良い税理士だと言えます。
逆に、経験や実績の程度をごまかしたりあいまいにしたりするような税理士は、あまり誠実だとは言えないでしょう。
誠実に対応してくれることは顧問税理士として活躍してもらうための大前提です。
このように、経験や実績を十分に有しているかという点も、顧問税理士選びのポイントの一つです。
コミュニケーションやレスポンスが早いか
顧問税理士は、コミュニケーションやレスポンスが早いことも重要なポイントです。
顧問税理士には、日常の経営に関する判断のために必要な事項を相談することも多くあるでしょう。
その際、レスポンスが遅ければ、経営に関する判断材料をすぐ手に入れることができずに適切な判断を迅速に行うことができず、経営が滞ってしまうリスクがあります。
顧問税理士は日常的・継続的に税務の側面から経営をサポートしてくれる存在であるため、質問や相談を投げかけたらできるだけ迅速に対応してくれることが非常に重要です。
顧問税理士としての実績や経験が多くても、それゆえに多数の顧問先を抱えていてコミュニケーションやレスポンスが遅いのであれば本末転倒です。
どのような事情であるかにかかわらず、コミュニケーションを密にとってレスポンスを迅速にしてくれる税理士を顧問税理士として選ぶようにしましょう。
コミュニケーションが細やかであればあるほど、また、レスポンスが早ければ早いほど、その税理士と顧問契約を結ぶ価値があると言えます。
顧問料や報酬が自社の予算に見合っているか
いくら経験や実績が豊富でも、そのことが理由で顧問料や報酬が自社の予算に見合っていなければ意味がありません。
自社の収入に見合った顧問料を支払うことは、顧問契約を締結する上で当然の前提です。
自社の収入に見合わない高額な顧問料を支払い続けることはできません。
顧問契約を締結するにあたっては、税理士に事業での収入や経営に関する状況について詳しく伝えることになるため、良心的な税理士であれば税理士の側からも「顧問料の支払いで経営を圧迫してしまうからうちとは顧問契約を締結しないほうがいい」などとアドバイスをしてくれることでしょう。
一度契約してしまえば、顧問税理士に支払う顧問料は一度きりではなく継続的に発生するものです。
契約内容に定めた顧問料を払い続けてもそれが自社の予算に見合っているかどうかは、しっかりと確認するようにしましょう。
専門分野が求めるものと合っているか
顧問契約を締結する際には、自社の事業分野について十分な知識を持っている税理士を選ぶことが重要です。
一方、税理士ごとにどのような分野を得意としているかが異なります。全ての業界・分野に精通している税理士はいないでしょう。
このため、顧問税理士として依頼した税理士が必ずしも自社の手がける事業に詳しいとは限りません。
自社の事業について十分な知識を有していない税理士は、しっかりとした深みのあるアドバイスをすることがなかなかできませんし、的確な回答をすることができない可能性もあります。
税理士と顧問契約を締結する前には、その税理士が得意とする分野を確認し、自社が求めているものと合っているかどうかを確かめるようにしましょう。
対応してほしい業務内容に対応してくれるか
顧問税理士は様々なサポートをしてくれますが、具体的にどこまでの業務内容に対応してくれるのかは税理士によって少しずつ違うので注意が必要です。
例えば、税務相談、税の申告書類の作成・代理は基本的な業務内容としてどの税理士も行ってくれます。
これに対して、経営に関するコンサルティングや金融機関との交渉などといった発展的な業務については、税理士によっては対応してくれないこともあります。
主に経営に関するコンサルティングをしてほしいと思っているのに、それには対応していない税理士と顧問契約を締結してしまうと、「思っていたのとは違う」ということになってしまいよくありません。
顧問税理士を選ぶ際には、自社がどのような業務内容に対応してほしいと考えているのかを明確にした上で、そのような対応してほしい業務内容に対応してくれるのかどうかをしっかりと確認するようにしましょう。
節税対策について適切なアドバイスをしてくれるか
節税対策については、どの経営者にとっても気になるところかと思われます。
節税対策についてアドバイスをしてほしいと考えている場合には、節税対策について適切なアドバイスをしてくれる税理士を選んで顧問契約を締結するようにしましょう。
税理士は、節税対策にはあまり積極的ではないタイプの税理士と、できる限り節税対策を積極的に行っていこうとする税理士とに分かれます。
自社が節税をどの程度必要としているかに応じて、自社の必要性に応じた適切な節税対策に関するアドバイスをしてくれる税理士を選んで顧問契約を締結するようにしましょう。
顧問税理士の探し方
顧問税理士の探し方には、次のようなものなどがあります。
- インターネットで検索する
- ポータルサイトを活用する
- 知人から紹介してもらう
- 税理士会に紹介してもらう
これらについてご説明します。
インターネットで検索する
インターネットで「顧問税理士 (エリア名・業界名)」などのキーワードを入れて検索すると、顧問税理士サービスを提供している税理士を複数見つけることができます。
インターネット検索でヒットした税理士の中から良さそうな税理士を見つけ、連絡をとって顧問税理士になってもらえないか相談することで、顧問税理士を探すことができます。
インターネット検索で顧問税理士を探すことのメリットは、複数の税理士の中から比較検討して自分の判断で顧問税理士を依頼する税理士を探せるという点にあります。
特に、インターネット検索でヒットする税理士のウェブサイトには顧問税理士サービスに関する様々な情報が記載されているため、その税理士の提供するサービスの特色は何か、費用の違いにはどのようなものがあるかなどといったことを自分で比較検討して判断することができます。
一方、インターネット検索で顧問税理士を探すことのデメリットは、税理士が多くヒットしすぎてどの税理士がいいのか自分で見極めることが難しいということにあります。
インターネット検索では非常に多くの税理士がヒットし、ウェブサイトを自分で読み込んで比較検討しなければならないので、「結局どの税理士がいいのか」を見極めることが難しいということも少なくありません。
インターネット検索で顧問税理士を探そうという場合には、時間をとって自分で十分に比較検討するという気持ちをしっかりと持って、根気強く探すようにしましょう。
なお、インターネット検索で顧問税理士を探す際には、検索でトップに表示されたから優れているというわけではないため、安易に「検索で上位に表示されたから」というだけの理由で決めてしまわないようにすることが大切です。
ポータルサイトを活用する
顧問税理士を探すにあたっては、ポータルサイトを活用するという方法もあります。
ポータルサイトとは、顧問税理士サービスを提供している税理士の情報を一覧にしてまとめたウェブサイトのことです。
条件を指定することで表示される税理士を絞って検索することができたり、税理士ごとの特徴や特色を分かりやすくまとめた個別ページが作成されていたりするため、効率的に自分の求める条件に合った顧問税理士を探すことが可能となります。
自分の求める条件に見合った顧問税理士を上手に探すにあたっては、ポータルサイトを活用することも選択肢の一つとしておすすめです。
知人から紹介してもらう
顧問税理士は、知人から税理士を紹介してもらって探すという方法もあります。
経営者であれば、事業をする中で人脈などがあり、そこから税理士を紹介してもらえるということもあるでしょう。
知人からの紹介であれば、その税理士がどのような税理士か情報をあらかじめ得ることができ、ある程度信頼もできるため、顧問税理士の探し方としては一つの方法です。
注意するべきなのは、紹介してくれたその知人にとってはぴったり合っている税理士だとしても、あなたにとっても同様にぴったりと合っているとは限らないという点です。
知人とあなたとは別の会社であり、顧問税理士に対して必要としているものも必然的に異なるため、知人にとってはよく合っている顧問税理士だとしてもあなたにとってはあまり合わないという可能性も十分にあります。
知人に紹介してもらったから必ず顧問税理士の契約をしなければならないというわけではありません。
紹介してもらったとしても税理士と契約前の相談を必ずしっかりとして、「この税理士を顧問税理士にしていいのか」ということを慎重に判断するようにしましょう。
税理士会に紹介してもらう
税理士会によっては、顧問税理士を紹介してくれる制度を設けていることがあります。
住んでいる地域の税理士会に、顧問税理士を紹介してくれる制度がないかどうかをといあわせてみるとよいでしょう。
税理士会の紹介であれば、ある程度信頼できる税理士が紹介してもらえることが期待できます。
一方で、細かな条件や得意分野などは指定できない可能性があるため、自分の会社に最適の税理士を紹介してもらえるとは限りません。このことには注意が必要です。
顧問税理士はつけておくべき?5つのメリット
「そもそも顧問税理士はつけておくべきなのか?」と考える方もいるかもしれません。
顧問税理士をつけておくメリットには、次のようなものがあります。
- 税務に関する心配をなくして事業に集中できる
- 税務に関する書類を代わりに正しく作成・提出してもらえる
- 税務調査への対応やアドバイスをしてもらえる
- 経営に関して相談をすることができる
- 節税対策に関する効果的なアドバイスを受けることができる
これらについてご説明します。
税務に関する心配をなくして事業に集中できる
税務のことは、税の素人には分からないことばかりであることが一般的です。
顧問税理士がいなければ税務に関して困り事があるたびに自分で調べたりスポットで税理士に相談したりしなければならず、たくさんの手間と時間がかかってしまいます。
顧問税理士をつけていれば、あなたの会社のために税務に関する手続きを代わりにしてくれたり、アドバイスをしてくれたりします。
その都度契約しなくても気軽に日常的に相談をすることができるため、税務のことで不安になる必要はありません。
税務に関する心配をなくすことで、経営者として事業に集中することができ、本来の事業でより良い成果を出すことに繋げることができます。
税務に関する書類を代わりに正しく作成・提出してもらえる
顧問税理士と契約すれば、税務に関する書類を代わりに正しく作成・提出してもらえます。
会社であれば、法人税や消費税などの各種の税金に関する税の計算・申告を定期的に行わなければなりません。
税の計算・申告のための書類作成は、自分自身でやろうと思っても難しくて正確に行うことはなかなかできないものです。
顧問税理士と契約して代わりに書類作成をしてもらうことで、書類作成にかかる時間をそのまま浮かせて自分の本来の事業活動のために使うことができます。
また、顧問税理士は正確に書類を作成してくれるため、後になって税務署から誤りを指摘されて対応に追われるリスクも大幅に低減することができます。
税務調査への対応やアドバイスをしてもらえる
「税務調査」とは、税の計算・申告や納税が正しくなされているかを税務署が調査することです。
税務調査では、会社まで税務署の職員が来て書類などを調査したり経営者本人から聞き取りがなされたりします。
基本的に税務調査は税務署側が「この会社の税務申告には誤りがあって過少に申告・納税をしているのではないか」と疑った上で行われるものであり、税務調査の結果次第では税の申告・納付内容の誤りを指摘されて追加の税金を納めなければならないこともあります。
顧問税理士と契約していれば、実際に税務調査が開始されたとしても、税理士が税務調査対応にあたってくれて経営者本人をサポートしてくれます。
これにより、安心して税務調査に対応することが可能となります。
顧問税理士が対応することで、「わざと脱税しようとしたわけではなかった」ということをうまく説明してくれたり、「この部分については過少な申告ではない」と主張を戦わせてくれたりすることもあります。
このような対応は、税の正確な知識が必要であり、自分だけではなかなか難しいものです。
もし顧問税理士と契約していなくてもスポットで税理士と契約して税務調査対応を依頼することは可能ですが、スポット契約の税理士では会社の事情を十分に把握しきれなかったりするなどの理由で顧問税理士ほどには十分に対応できない可能性もあるため、顧問税理士と契約しておくのが安心だと言えます。
経営に関して相談をすることができる
顧問税理士との契約内容によっては、経営に関して相談をすることができることがあります。
税理士は、税の専門家として税制度や補助金の制度などをよく知っており、必要に応じて経営に役立つそれらの知識をアドバイスしてくれるかもしれません。
また、業界・業種に対する知見が深い税理士であれば、第三者としての立場から経営に関して相談に乗ってくれてアドバイスしてくれることもあります。
スポット契約の税理士であれば特定の問題に関して相談をできるにとどまりますが、顧問税理士であれば日常的・継続的に相談をすることができ、会社のこともよく知っていてくれるので、より深く効果的な相談をすることができ、経営を改善できる可能性が高まります。
節税対策に関する効果的なアドバイスを受けることができる
顧問税理士は、節税対策に関する効果的なアドバイスをしてくれることもあります。
顧問税理士はあなたの会社の事情をよく知っており、税の制度に関する知識も豊富に有しているため、顧問税理士に相談すれば効果的に節税するためにはどのようにすればいいのかを教えてくれることがあります。
顧問税理士によって、節税に対してどれだけ前向きにアドバイスをしてくれるかは異なります。節税に対しては消極的な姿勢の税理士もいますし、積極的にアドバイスをしてくれる税理士もいます。
また、節税は、一歩間違えて行き過ぎてしまうと許されない「脱税」にもなりかねないため、その辺りのバランス感覚が優れている税理士からアドバイスをもらうことも重要です。
自社がどれだけ節税を必要としているかに応じて適切な顧問税理士を選ぶことで、節税対策に関する効果的なアドバイスを受けることが可能となります。
まとめ:ポイントを押さえてより良い顧問税理士を見つけよう
顧問税理士をつけることには、様々なメリットがあります。適切に顧問税理士を選んで、顧問税理士のメリットを最大限に享受しましょう。
適切な顧問税理士を選ぶことで、あなたの会社の経営をより良く進められる可能性が高まります。
顧問税理士を選ぶにあたっては、ここまでにご紹介したように押さえておきたいポイントがあります。
ポイントを押さえてあなたの会社にとって最適な顧問税理士を選ぶようにしましょう。




