離婚原因となる有責行為とは?証拠の集め方から有利に進める手順まで

2026/03/21

離婚原因となる有責行為とは?証拠の集め方から有利に進める手順まで

相手方に有責行為があった場合、最終的に自己の一方の意思により離婚することができます。

とはいえ、有責行為といっても、具体的にどのような行為が当てはまるのか判断に困ることもあると思います。

今回は離婚における有責行為とは何か、証拠の集め方や手順などについて解説します。

離婚における有責行為とは?

法律の枠組みにおいて、婚姻関係を破綻に至らせた原因を作った側の責任ある行動を有責行為と呼びます。

日本では、かつて離婚に関して、有責主義という考え方を採用していました。

これは、不当な行為を働いた配偶者からの離婚請求を認めない一方で、被害を受けた側からの請求を認めるという、道徳的・倫理的な側面を重視した考え方です。

しかし、戦後日本国憲法が制定されたことにより、個人の尊厳と両性の本質的平等が理念として掲げられるようになりました。

それと同時に、具体的な離婚原因の規定に加え、婚姻を継続しがたい重大な事由という抽象的な条項が加えられることになります。

こういった経緯により、現在は婚姻生活が実質的に破綻していれば離婚を認める破綻主義へと移行したと考えられています。

ただし、有責行為の有無が不要になったわけではありません。

離婚の成否をめぐる裁判所の判断において、どちらが婚姻関係を壊す原因を作ったのかという事実は依然として極めて重要な意味を持ちます。

裁判上の離婚が認められるためには、法が定める一定の離婚原因、つまり有責行為が存在しなければならないのです。

法律で定められた4つの有責行為(法定離婚事由)

民法770条1項は、裁判によって強制的に離婚を成立させるために必要な理由として、4つの項目を挙げています。

1. 不貞行為

不貞行為とは、配偶者がある者が自由な意思に基づいて、配偶者以外の異性と性的な関係を結ぶことを指します。

これは夫婦間の誠実義務に著しく違反する行為であり、有責行為とみなされます。

判例によれば、不貞行為が成立するためには、当事者癌が自由の意思のもと、性的関係、すなわち肉体関係の存在が原則として必要です。

単に2人で食事をした、あるいは手をつないで歩いていたというだけでは、直ちに不貞行為と認定されることは難しいといえます。

また、不貞行為は自由な意思に基づくものであることが要件となるため、強制的に性的関係を強いられた被害者の場合は、不貞行為には該当しません。

不貞の態様については、それが一時的な過ちであったか、あるいは長期間にわたる同棲を伴うような継続的なものであったかを問いません。

たとえ1回限りの行為であっても、それが発覚したことで婚姻関係が修復不可能なまでに破壊されたのであれば、離婚原因としての効力を持ちます。

不貞の相手方が風俗店などの従業員であった場合でも、性的関係がある以上は離婚原因となり得ます。

ただし、慰謝料請求の場面においては、相手の属性や状況によって責任の有無が議論されることもあります。

また、近年の裁判例では、同性同士の性的関係についても不貞行為、あるいは婚姻を継続しがたい重大な事由として考慮される傾向にあります。

不貞行為に関する重要な論点として、宥恕(ゆうじょ)という概念があります。

これは、不貞を知った配偶者がそれを許し、婚姻関係の継続を認めた場合、その過去の不貞行為を理由に離婚を請求することは信義則上許されないという考え方です。

ただし、宥恕の認定は厳格であり、単に抗議をしなかった、あるいは子どものために表面上取り繕っていたというだけでは、許したことにはならないと判断されることが多いです。

不貞行為は、夫婦の信頼関係の根幹を揺るがす重大な裏切りであり、その立証は離婚条件の交渉において決定的な力を持ちます。

2. 悪意の遺棄

悪意の遺棄とは、正当な理由がないにもかかわらず、民法752条が定める夫婦の同居・協力・扶助義務を履行しないことをいいます。

夫婦は、お互いに助け合い、同じ屋根の下で生活を営むことが法的な義務とされています。

この義務を意図的に放棄し、相手を窮地に陥れるような行為が遺棄に該当します。

たとえば、健康で収入がある夫が、専業主婦である妻に一切の生活費を渡さず、自分だけ別の住居に移って連絡を絶つようなケースがこれに当たります。

あるいは、病気で介護が必要な配偶者を放置して家を出る、相手を自宅から強引に追い出す、といった行為も悪意の遺棄と判断される可能性が高いです。

判例では、別居の目的や期間、生活費の送金の有無、別居に至った経緯などを総合的に考慮して判断を下します。

単なる喧嘩による一時的な家出や仕事のための単身赴任であれば、正当な理由があるため悪意の遺棄にはなりません。

しかし、婚姻関係を終わらせることを目的として、相手の生活基盤を奪うような形での別居は有責性が認められます。

3人の幼児を抱える妻に行き先も告げずに出奔した事例や、半身不随の妻を置き去りにした事例などが、悪意の遺棄として認定されています。

一方で、夫婦関係がすでに完全に冷え切り、お互いの合意の上で別居を開始した場合は、義務の放棄とはみなされないこともあります。

悪意の遺棄を主張するためには、相手が積極的に婚姻共同生活を廃絶しようとした意思を証明することが求められます。

3. 3年以上の生死不明

配偶者の生存も死亡も確認できない状態が3年以上継続している場合、それは離婚原因となります。

これは、残された配偶者がいつまでも不安定な身分関係に置かれることを防ぐための規定です。

行方不明とは異なり、生きているのか死んでいるのかが客観的に証明できない状態であることが必要です。

この事由による離婚が成立した後に、行方不明だった配偶者の生存が確認されたとしても、一度確定した離婚の効力は失われません。

ただし、離婚判決が確定する前に死亡していたことが判明した場合は、離婚ではなく死亡による婚姻の解消として扱われることになります。

実務上は、民法30条が定める失踪宣告の制度と併せて検討されることが多い項目です。

失踪宣告は、7年間(危難の場合は1年間)生死不明の場合に、法律上で死亡したものとみなす制度です。

失踪宣告を受けた場合、婚姻関係は死亡によって終了し、相続も発生します。

これに対し、3年以上の生死不明に基づく離婚は、あくまで存命の可能性も残したまま契約としての婚姻を解消する手続きです。

4. その他婚姻を継続しがたい重大な事由

婚姻を継続しがたい重大な事由とは、夫婦の共同生活が回復の見込みがないほどに破壊されている状態を指します。

判例では、婚姻中の当事者の行為、態度、婚姻継続の意思、子の状況、資産状態など、一切の事情を総合的に考慮して破綻の有無を判断するとされています。

具体的な例としては、まず激しい暴行や虐待(DV)が挙げられます。

身体的な暴力だけでなく、過度な侮辱や暴言、精神的に追い詰めるモラハラも、この事由に含まれます。

相手の自由を極端に制限する、経済的に締め付ける、無視を続けるといった行為が継続し、平穏な生活が送れなくなった場合です。

また、多額の借金や浪費、ギャンブルに溺れて家計を破綻させる行為も、協力義務違反として考慮されます。

さらに、過度な宗教活動によって家庭生活を省みない、性交渉を不当に長期間拒絶する、といった事情も破綻の原因となり得ます。

性格の不一致についても、それが単なる好みの違いを超えて、日常生活における深刻な対立となり、長期間の別居に至っている場合は認められることがあります。

さらに長期間の別居による夫婦関係の破綻も婚姻を継続しがたい重大な事由に該当尾することがあります。

別居期間については、3年から5年程度がひとつの目安とされますが、有責性の程度や子どもの有無によって判断は左右されます。

この5号事由は抽象的であるため、裁判所に対していかに婚姻関係が再構築不能な状態にあるかを説得的に主張することが大切です。

なぜ離婚の話し合いで証拠が重要になるのか?

離婚の協議や調停において、証拠は単なる確認資料ではなく、主張の正当性を法的に裏付けるものになります。

実務上、権利の行使を実現するためには、どのような事実が存在したのかを客観的に証明する手段が必要です。

裁判所は、当事者の感情的な訴えよりも、客観的な事実を重視します。

どれほど相手から過酷な仕打ちを受けたと主張しても、それを裏付ける証拠がなければ、相手が否認した時点で事実なしと判定されるリスクがあります。

証拠があれば、相手は言い逃れができなくなり、結果として話し合いの主導権を握ることが可能になります。

有責行為の存在が明確になれば、相手に対して心理的な圧力をかけることができ、有利な条件での和解を引き出しやすくなります。

【ケース別】離婚で有効となる証拠の具体例

どのような資料が有効な証拠となるかは、主張する有責行為の内容によって異なります。

実務上重視される代表的な証拠の例を確認していきましょう。

不貞行為の証拠

不貞行為を証明するためには、肉体関係があることを推認させる資料が必要となります。

もっとも強力なのは、ラブホテルに出入りする際の写真や動画です。

これらは、滞在時間の長さも含めて記録されることで、性的関係があったことの強力な推認資料となります。

また、スマートフォンのメールやSNSのやり取りも重要です。 愛しているという言葉だけでは不十分な場合もありますが、性交渉を示唆する具体的な記述や、宿泊を伴う旅行の計画などは有力な証拠となります。

クレジットカードの利用明細書から、不倫相手との食事代や宿泊代、プレゼント代を特定することも効果的です。

相手が不貞を認めた際の録音データや、署名入りの自白書などの自白を示す証拠は非常に重要な資料となります。

悪意の遺棄の証拠

生活費を渡さない、勝手に家を出たといった事実を証明するためには、家計の推移を記録した資料が有効です。

まず、通帳のコピーや家計簿によって、ある時期から生活費の入金が途絶えた事実を明確にします。

相手に送った生活費を支払ってほしいという督促のメールや手紙の控えも、相手が意図的に義務を放棄していることを示す証拠となります。

また、別居開始時の状況を日記やメモに残しておくことも大切です。

いつ、どのような言葉を残して家を出て行ったのか、その際に家具や持ち物をどの程度持ち出したのかを記録します。

住民票を勝手に移された場合は、その除票なども移動の事実を示す資料となります。

これらの客観的な記録を積み重ねることで、一時的な別居ではなく、婚姻生活を破綻させる意図があったことを立証していきます。

DV・モラハラの証拠

暴力や暴言を立証する場合、客観的な第三者による記録や、その場の生々しい記録が重視されます。

身体的な暴力を受けた場合は、必ず病院を受診し、診断書を取得してください。

怪我の部位を写真で撮影し、日付とともに保存しておくことも重要です。

モラハラについては、相手の暴言を録音したデータや、執拗な叱責が綴られたメールが有力な証拠となります。

日常的にどのような暴言を浴びせられたのか、それによって自らの精神状態がどう変化したのかを詳細に記した日記も、継続性を示す資料として評価されます。

警察や配偶者暴力相談支援センターなどの公的機関に相談した実績があれば、その相談記録も大きな意味を持ちます。

モラハラは外からは見えにくい有責行為であるため、小さな事実を丹念に記録し、その蓄積によって異常な婚姻環境であったことを裁判所に伝える必要があります。

有責行為証拠集めを行う場合の注意点

証拠を集める際には、その方法が法律や倫理に抵触しないよう細心の注意を払う必要があります。

違法に収集された証拠は、裁判において採用されないばかりか、自らが損害賠償請求を受けたり、刑事罰を科されたりするリスクがあります。

たとえば、他人の住居に無断で侵入して設置したカメラの映像や、相手のスマートフォンを不正にハッキングして取得したデータなどは、プライバシー権の著しい侵害とみなされる可能性があります。

また、相手を脅迫して無理やり書かせた自白書も、自由な意思に基づかないものとして証拠能力を否定されます。

証拠収集の過程で自らが加害者となってしまっては、本末転倒です。

どのような方法であれば適法かつ効果的に事実を掴めるのか、判断に迷う場合は専門家への相談を検討すべきです。

また、証拠を見つけた際、感情に任せてその場ですぐに相手を問い詰めるのも得策ではありません。

証拠を隠滅されたり、警戒されてその後の収集が困難になったりすることを防ぐため、十分な量を確保するまでは冷静に行動することが求められます。

有責行為は慰謝料・財産分与・親権にどう影響する?

有責行為の存在が認められた場合、それは離婚に伴う諸条件の決定に大きな影響を及ぼす事があります。 それぞれ確認していきましょう。

有責配偶者への慰謝料請求が可能になる

慰謝料とは、相手の不法行為によって受けた精神的な苦痛を賠償するための金銭です。

不貞行為や暴力などの有責行為は、配偶者の法的利益を侵害する不法行為とみなされるため、被害を受けた側は慰謝料を請求する権利を持ちます。

慰謝料の金額は、行為の悪質さ、継続期間、それによって受けた精神的ダメージの大きさ、婚姻期間の長さ、相手の経済力などを総合して決定されます。

不貞行為などの裏切りは、夫婦の性的純潔を汚し、信頼関係を破綻させるものであるため、その有責性は重く評価されるのが一般的です。

ただし、3年以上の生死不明など、相手に明確な故意や過失による不法行為が認められない事由による離婚の場合は、慰謝料が発生しないこともあります。

あくまで不法行為責任が成立する場合に限定されるという原則を忘れてはなりません。

慰謝料の相場は50万~300万円

離婚に伴う慰謝料の金額には明確な料金表があるわけではありませんが、実務上の相場は概ね50万円から300万円程度の範囲に収まることが多いです。

たとえば、一度きりの不貞で、その後相手が深く反省しているようなケースでは、50万円から100万円程度となる可能性があります。

一方で、長年にわたって不倫相手と同棲し、生活費も渡さずに家庭を放置したような悪質なケースでは、200万円から300万円、場合によってはそれ以上の額が認められることもあります。

また、暴力を伴う DV の場合、怪我の程度や通院期間によっても金額は変動します。

マスメディアで報じられるような数千万円といった高額な慰謝料が認められることは、日本の司法実務においては極めて稀です。

現実的な相場を把握した上で、証拠によって自らの受けた苦痛がいかに甚大であるかを証明し、妥当な金額を勝ち取ることが目標となります。

慰謝料請求権の消滅時効に注意

慰謝料を請求する権利には時効が存在します。

離婚に伴う慰謝料請求権は、原則として離婚した時から3年で時効によって消滅します。

不貞行為そのものに対する慰謝料については、不貞を知り、かつ相手を特定した時から3年という制限もあります。

別居が長引いている場合、いつの時点を起算点とするかで争いになることもあるため、早めの行動が大切です。

時効の完成を防ぐためには、訴訟を提起する、あるいは内容証明郵便で督促を行うなどの法的な手続きが必要となります。

財産分与への直接的な影響は原則ない

財産分与とは、婚姻中に夫婦が共同で築き上げた財産を、離婚にあたって公平に分け合う制度です。 これには、不法行為への制裁という意味は含まれていません。

したがって、たとえ相手の落ち度が 100パーセント である有責配偶者であったとしても、原則として財産分与の割合は2分の1ずつとなります。

財産分与の主な目的は清算であり、どちらが悪いかという問題とは切り離して考えられるのが法的な原則です。

ただし、実務上の和解案として、慰謝料を支払う代わりに財産分与の割合を調整する、といった解決方法がとられることはあります。

たとえば、自宅の持分をすべて譲り受ける代わりに慰謝料を免除する、といった合意です。

有責性は慰謝料で解決し、財産は貢献度で分けるという基本原則を理解した上で、全体的な経済的条件をどのようにまとめるかを検討することが大切です。

親権や養育費は子の福祉を最優先に判断される

子どもに関わる問題については、親の有責性よりも子どもにとって何が最善かという子の福祉が最優先されます。

したがって、不倫をしたからといって、直ちに親権者として失格とみなされ共同親権が否定されるわけではありません。

現在どちらが子どもを主に監護しているのか、子どもとの情緒的な結びつきはどうなっているのか、今後の養育環境はどう整えられるのか、といった実態が重視されます。

もちろん、暴力や虐待などの有責行為が子どもに向けられていた場合や、不倫にのめり込んで育児を放棄していたような場合は、親権の判断に大きく影響します。

養育費の金額についても、親の責任の重さではなく、双方の収入と子どもの必要経費に基づいて算出されます。

浮気をしたから養育費は高めに払えという主張は、法的には通りにくいのが現実です。

子どもの権利である養育費を確実に確保し、安定した環境で育てていくためには、感情を排して子の利益を第一に考えた条件設定を行う必要があります。

有責配偶者との離婚を有利に進めるための4つの手順

相手に非がある状況で、自らにとって納得のいく条件を勝ち取るためには、戦略的な進め方が求められます。

有責配偶者との離婚を有利に進めるための具体的な流れを紹介していきたいと思います。

手順①:有責行為を裏付ける証拠を確保・整理する

有責配偶者との離婚を有利に進める手順として、有効性の高い証拠を収集し、整理することが大切です。

実務上の定石として、事実の確定こそが権利行使の前提です。

不貞であれば写真やメール、暴力であれば診断書といった、客観性の高い資料を揃えます。

集めた証拠は時系列順に整理することで、客観的に有責行為があったことがわかる形にまとめます。

この段階ではまだ相手に離婚を切り出す必要はありません。

相手が警戒していないうちに、できるだけ多くの証拠を秘密裏に確保しておくことが、後の交渉を有利に進めることに繋がります。

手順②:希望する離婚条件を明確にする

証拠を固めたら、次に自分がどのような結果を望むのかを具体的に設定します。

慰謝料はいくら請求するのか、財産分与はどう分けるのか、親権はどうするのか、といった各項目について、自分なりの落とし所を決めておきます。

この際、相場を知ることは大切ですが、同時に自分が譲れないポイントを明確にすることが重要です。

あらかじめ書面やメモに自分の要求をまとめておくことで、感情が高ぶりやすい話し合いの場でも、一貫した主張を維持することが可能になります。

相手に対してどのようなカードをどの順番で切るか、という戦略を練るのもこの時期です。

手順③:相手方と離婚協議を行う

離婚の準備が整った段階で、初めて相手方に離婚を切り出し、話し合いを行います。

相手方の有責行為を理由に離婚を切り出す際は、いきなりすべての証拠を見せるのではなく、まずは相手の言い分を聞き、嘘を重ねさせた上で決定的な証拠を提示するのも一つの方法です。

ただし、有責行為の内容によっては、相手が逆上して暴力に及ぶリスクもあります。

このような場合には、二人きりでの対話を避け、弁護士などに話し合いを代理してもらうか、公共の場所で話し合うなどの安全対策を講じてください。

協議で合意に至った場合は、必ず離婚協議書を作成してください。

また、その書面に養育費や慰謝料の分割払いなどの内容があった場合には、できれば公証役場で強制執行認諾文言付の公正証書にしておくべきです。

公正証書にしておけば、将来養育費や慰謝料の支払いが滞った際に、裁判を通さずに相手の財産を差し押さえることが可能になります。

2026年4月からは、公正証書がなくても離婚協議書があれば、先取特権が付与されるため、一定程度の養育費については請求することが可能です。

ただし、子ども1人につき上限額が設定されているため、公正証書にした方がリスクを回避できるといえます。

手順④:協議で合意できなければ離婚調停・裁判へ移行する

相手が離婚を拒否したり、条件に納得しなかったりする場合、あるいは話し合い自体が不可能な場合は、家庭裁判所での離婚調停を申し立てます。

調停は、調停委員という第三者を介した話し合いの場です。

調停委員に対して事実関係を的確に伝えることで、相手への説得を促してもらうことができます。

調停でも不成立となった場合は、最終的に離婚訴訟へと進みます。

裁判では、厳格な証拠調べが行われ、法的な基準に基づいて判決が下されます。

有責行為の立証がなされていれば、判決によって強制的に離婚することが可能です。

有責配偶者側から離婚を請求された場合の対処法

状況によっては有責配偶者の側から、一方的に離婚を突きつけられることもあります。

相手方の提示する条件に納得していなければ、同意はしないようにしてください。

有責配偶者側からの離婚請求は、判例(昭和62年最高裁大法廷判決)によると、極めて高いハードルを越えなければなりません。

具体的には、以下のとおりです。

相当に長い別居期間があること 未成熟の子が存在しないこと 離婚によって相手方が苛酷な状態に置かれないこと 相手の裏切りによって傷ついている側が別れたくないと主張する限り、相手からの離婚請求は原則として棄却されます。

ただし、別居期間が10年、20年と長期に及ぶと、もはや婚姻関係は形骸化しているとみなされ、離婚が認められることがある点には注意が必要です。

また、離婚に応じる場合であっても、有責配偶者である相手に対し、相場を上回る有利な条件を提示して交渉する余地が生まれます。

まとめ

離婚における有責行為の把握と立証は、その後の人生を再構築するための極めて重要な作業です。

民法が定める離婚事由を理解し、客観的な証拠を積み重ねることは、感情の波に流されることなく、法的な論理によって自らの正当性を証明することに他なりません。

不貞行為や悪意の遺棄といった相手の不誠実な行動に対して、毅然とした態度で権利を主張するためには、周到な準備と戦略的な手順が必要です。

とはいえ、自力で行うことは困難であるため、困ったときには弁護士へ相談することを検討してください。

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